四年前になります。私がまだ中学生だった頃、放課後美術室で油絵を描いているとき、Kがやってきました。
Kとは同学年の男子で同じクラスにはなったことはありませんが、顔は知っていました。
Kはイジメられていて、私は関わりたくないと思っていました。
しばらくして、Kは私の絵を見ると、「絵、下手だね。」と言ってきました。
かなり腹が立ったのを今でも覚えています。そして、こいつがイジメられているのも分かる気がしました。
私「じゃあ、何か描いてみろよ」
するとKはすらすらと絵を描きはじめました。
そして私ににこにこしながら絵を見せてきました。
その絵は私の自画像でした。とても上手で短時間で描いたものとは思えませんでした。
そしてなにより嬉しかったです。
私「絵のこと教えてくれる?」
K「いいよ。下手すぎるからビックリした。」
それから私達はすぐ仲良くなりました。私が彼の絵の巧さに惹かれていったと思います。
その頃私は友達はたくさんいましたが、大親友というものはいませんでした。
私にとってはKが初めての大親友だったと思います。
Kと親友になった私は、学校が終わると毎日Kと私の家でゲームをして遊んだり、絵を教えてもらった。
K「ここは、こういうタッチで、そうそんな感じ!」
私「本当だ~!すごく上手くなった。」
彼の絵の巧さは言葉では言い表せないものでした。
私は彼のそんな絵が大好きだった。そして、なにより彼と過ごした時間が大好きだった。
私はKと一生友達でいたいと思った。
ある放課後、私はKがイジメられているの目撃した。
私は気づいたらイジメている奴にむかって殴りかかっていた。
瞬殺された。
Kと私は互いにぼろぼろになった姿をみて爆笑した。
K「お前、バカだろ(笑)」
私「バカだよ」
毎日が楽しかった。
ある日、私はKに誘われて彼の家に遊びに行った。
Kの家は普通の一軒家だった。しかし、中にはいると異変に気づいた。Kの親の日本語が変なのである。
後日、そのことについてKに聞いた。
K「俺の一家は中国出身で、俺が小さいころ日本にきたんだ。今は日本国籍とってるけどな。」
驚いた。と、同時に私の中で嫌なものが芽生えた。
Kとその家族が○○人としった私は驚いた。そして自分ではどうすることも出来ない感情に喰われていった。
その頃の私は○○人に対して偏見というか差別に近いものをもっていた。私のこういう考え方は親友のKにも向けられていった。
次の日から私はKを無視しだした。
K「今日、学校終わったら遊ぼう~!」
私「お前って暇だよな、○○人」
K「え・・・」
私「俺に二度と話しかけるな」
それが最後の会話だった。
しかし、それでも私の感情はおさまらず、私はKをイジメているグループに事情を説明し、Kに対して今まで以上に激しいイジメをした。
私は正しいことをしていると思っていた。
あのような民族など消えればいいと・・・
しばらくしてKは転校した。私は何とも思わなかった。いや、すっきりしていた。
Kが転校した次の日、私の靴箱に手紙が入っていた。
Kからのだった。
すみません。次回に続きます。
怖い話投稿:ホラーテラー やまちょさん
作者怖話