ある年の暑い夏…俺はJR戸田駅の付近を歩いていた。
その日は暑く、慣れない土地を歩いていてクタクタだった。
駅入り口まで後少し…という所で赤信号につかまった。
普通に信号待ちをして青信号になり、渡る。
ここまでは至って普通の日常。
しかし…
信号渡りきって、数メートル歩いた所で 「すいませ~ん」と女の声がした。
振り向くと二十代後半くらいか?
事務員みたいな恰好した女が自転車を押しながら立っていた。
俺は宗教か販売員かエウリアンだと思って警戒した。
しかし女は予期しない事を言い出した。
「あなたを避けそこなって転んだので、破れた服を弁償して下さい。」
??
流れがよくわからない。
要するに「歩道」で信号待ちをしてた俺を「自転車」で後ろからきた女が避けて転んだ。それが俺のせいで服が破れたから弁償しろって流れか?
と言ったら頷く。
俺は無言で立ち去る。
だが「〇〇さーん(俺の名前)逃げるんですか~〇〇さんてばー」
何で名前知ってんだと思ったら、
バックのネームプレートみたらしい。
あんまり煩いし、
こいつが詐欺とかなら警察に渡して帰ろうと思った。
で交番に…。
途中喚くのをやめない女に頭おかしいんじゃないの?と言ったら名誉棄損で訴えると言われた。
証人は?三人以上いないと成立しないよ?と言ってやろうかと思ったが止めた。 詰めはまだ早い。
交番につくと俺は先手をとって言いがかりをつけられていると警官に話した。
女は案の定、
「違います!」と叫び、事細かく説明を始めた。
俺はおばさん警官と中年の警官の二人が聞いていた事を確認して、
「今、聞きましたね?」
と言ってから女に質問した。
丁寧に「貴方が自転車で走っていた場所はどこですか?」
A歩道
「つまり貴方は(歩道)を歩いている歩行者を軽車両に乗りながら歩道に侵入して、 ベルで退かそうとして轢きかけた挙句、勝手にすっころんで怪我をした…間違いないですね?」
女は自信満々にそうです!と言った。
俺は警官にキップ切ってやって下さい。交通違反です。
今、この場で処置をお願いします。
と、めんどくさい奴全開で対応した。
交番から出た俺は晴れやかだった。
だが俺を追いかける様に女が、
「〇〇~ぎゅわれ~!〇〇~!にげりゅのか~!!きぇえええ!」
女を二人がかりで抑える警官…
とりあえず俺は駅にダッシュした。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話