小学生だった私は弟と近所の公園で遊んでいた。
周辺は田んぼと山ばかり
今は違うがその当時は田舎と言ってもよいだろう。
よく、友達同士で虫取りや森の中を探険した。
公園というのはちょっと奥へ入ると山姥でもいそうな雑木林が続いていてちょっと不気味な所。
夕方にもなると犬を散歩する人がチラホラいる程度で日中でも薄暗い。
いつのまにか弟が先に帰ってしまった。
おてんばな私は低い木によじ登って遊んでいると
男が近いてきた。
くすんだ赤色の
おんぼろバイク。
大学生だろうか?
今、思うと絵に書いたようなオタク男
黒ブチメガネ
黄ばんだ白いTシャツをパンツにIN
はげた色の着古したジーンズ
キョロキョロ上を向いたり公園の奥を見つめたりしてる。
ちょっとキモイと思った。
さらに、キモかったのが
ついさっき
私達がよじ登ってた木で
立ちションベンをしだした。
少し気味が悪かったが
気にせず別の木で遊んでいると
今度は近づいてきた。
よーく見ると、またキョロキョロと上を向いたり雑木林の方を見たりしながら
自分の股間を手で揉んでいた。
さすがにヤバイと思った。
近づいてきて
私に手を伸ばし
木にいた私を抱っこしようとした。
「へんなことしないでください!」
とっさに声が出てしまった。
男はジリジリと
後退りしおんぼろバイクで逃げて行った。
犬の散歩をしてる人がいた。
夕暮れ時だった。
後日…
家で留守番していた。
私の家は黒電話を大事に使っていた。
買い替えしたらいいのにと思った。
もったいないからと親が使っていた。
黒電話の音がちょっと怖いと思ったのは子供だったからだろうか?
チリリリーン!!
ガチャ
「もしもし」
『…フシュー…フシュー』
『い・ま・ひ・と・りぃぃぃひぃ?』
ガッチャン!
電話を切って窓の鍵を全てかけに行った。
全て。
仏壇のある部屋へ駆け込んでお気に入りのぬいぐるみを抱きしめ震えながら仏像に助けてくださいと懇願した。
きっと、あのへんなおじさんだ!!
そういえばあの時ヤツが逃げる時
公園の前の住宅地図見てたっけ?
ガチャガチャガチャ!
ガチャガチャ!
玄関のドアノブが激しく回転してる。
ドスッ!
鈍くドアノブをひく音。
「!!!!!」
玄関のドアは
焦って締めてなかったかも!
(ヤバイ!)
運が良かったのか?
立て付けの悪い昔の家なので乱暴にドアノブを回すと勝手に半分鍵がかかった。
すぐ、玄関に行き鍵をしっかりかけ直した。
その後、台所の椅子を使いノゾキ穴を見たが誰も居なかった。
お昼になり母が帰ってきた。
私はホッとした。
でもゾッとした。
裏口のドア上…
大人の背丈より
高い窓に
真っ白な手形がビッシリついてたから。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話