捜索に参加した青年団の男性の夢に、その行方不明の男が出てきたのは、捜索が始まって四日目のことだった。
灰色の部屋で髪の長い、異様に目がギョロギョロした女と抱き合っているのだという。そして女は執拗に行方不明の男の体をなめ回している。
青年団の男性は、夢としりながら異様な光景に息を飲んだと言う。
行方不明の男が言った。
「今 おれ、○○(山の名前)の○○(川の名前)近くにある洞穴で、蛇女がら見初めらって、一緒に暮らしったなあよ。だからおめだぢのとこさは帰らんね。母ちゃんさも伝えてけろ」
妙に間延びした声だったという。
青年団の男性は、次の日の朝、行方不明の男の両親に夢を見たことを伝えた。
半信半疑のまま、夢で伝えられた場所の捜索が始まった。
何度も捜索されたはずの場所で、男性の靴だけが発見された。
捜索は打ち切りになった。
両親は見つかった靴を仏壇に置き、もう息子の帰りは待っていないという。
終
怖い話投稿:ホラーテラー まておさん
作者怖話