短編2
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ビジネスホテルの訪問者

昨日起こった出来事です。

出張で地方のビジネスホテルに宿泊しました。

月に一回は行く出張先なのでいつも同じ宿だったのですが、昨日に限っては予約でいっぱいでした。

ネットで安い宿を探し発見しました。

激安でした。

仕事も終わりチェックイン。

値段のわりにはサービスの行き届いたホテルでした。

一人で有意義に夜を過ごせる開放感からすこし飲みすぎてしまい、気がつくと寝ていました。

夜中の2時過ぎぐらいにホテルの前の駐車場で若い連中が大声をだしながら喧嘩している騒動で目が覚めました。

テレビも電気もつけっぱなしだったので「消さないと!」と思い立ち上がると背後に気配を感じ振り返りました。

ふすまの前に見ず知らずの中年男性がこっちを向いて立っているんです。

ビックリした私は、「誰の部屋じゃ~思いよんな!出ていけぇ~や!」と強めにののしると中年男性はペコッと頭を下げてふすまをすり抜けて出て行きました。

そこで初めて恐怖を感じました。

くたびれたスーツ姿に白のワイシャツ姿でした。

部屋を間違えて入ってきたと思っていたんですが違ったようです。

次の日、フロントで一連の話しをしました。

従業員は困った顔をするだけで何も言わなかったのですが、お偉いさんがでてきて「お代はいいのでこのことは口外しないでください。」と言われました。

疲れ果てた表情で精気がまったく感じられませんでした。

おそらくその部屋で自ら命を絶たれた方だと私は感じ取りました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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