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中編3
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猫の話

これは私が高校生の時の話です。

金縛りの体験はありましたが、こんな強烈な体験は初めてです。

雨の日でした。

いつものように徒歩で学校に通ってました。

交通量の多い道路に差し掛かった時です。

雨で霞む中、道路の端に灰色の塊が見えたんです。

ちょうど、私が歩いてる歩道側だったので通り過ぎる時にしっかり見てみました。

見てしまいました。

それは、猫の死体でした。

車にはねられてしまったんですね。

見たことがある人なら分かると思いますけど、そういう動物の死体って悲惨なんですよね。

ちっちゃな身体から内臓が飛び出して、目も見開いたままだったり…。

急いで通り過ぎましたけど、可哀想で一度振り向いちゃいました。

…これ、後で聞いた話だとやっちゃいけないんですって。

その日は学校も普通に終わって特に問題なく終わりました。

問題があったのは夜です。

なかなか寝付けませんでした。

じめじめして空気が重い感じです。

やっと、うつらうつらしてきた時、耳鳴りがして空気が変わりました。

余談ですが、私、霊とか見えませんが、ごくたまに音で察知するタイプです。

金縛りの前とか、ヤバイ場所では耳鳴りがキーンとするんです。

今日もそうでした。

でも、いつもと同じではなかったんです。

耳鳴りの後、足下から鳥肌がぞわっと立ちました。

そして金縛り…。

これが気持ち悪くて、何かが体を這いずり回っている感じです。

触らないで、と頭の中で叫んでも声には出ません。

横には双子の姉が死んだように眠っています。

頭は動くけどお姉ちゃんと呼びかけることが出来ません。

気持ち悪い…何か入ってきそう…。

そう、漠然と思った時です。

小さく猫の鳴き声がしました。

猫?…朝の?ヤバイ!!思ったけど、遅かった。

目の前が真っ暗になって、視界が遮られました。

でも遠くに何か見える。

それがどんどん近づいてくる。

猫の鳴き声もどんどん大きくなります。

それが、目の前まできた時、やっとそれが何か分かりました。

それは猫の生首でした。

灰色の猫が血でまだら模様になって、真っ赤な口を開けて迫っていたんです。

私は悲鳴をあげました。

…次に気がついた時、姉の顔が目の前にありました。

夜中にふと目が覚めて、私の様子がおかしいから起こしたそうです。

時間はまだ午前3時過ぎ。

私は汗だくで涙を流していました。

まだ夜は長い。

姉に話し姉の布団に入れてもらいました。

そして、一睡も出来ないまま朝を迎えました。

明るくなってから、姉と詳しく話しました。

そうすると姉は私を起こした時、変な臭いがしたと言います。

動物や獣の毛が雨で濡れた臭い…。

その日から私は動物の死体を見ても、決して振り向きません。

動物は可哀想だと思った人についてきてしまうと、母に教わったからです。

苦しみや恨みを引きつれて…。

あの日、もし姉が気付いて起こしてくれなかったら…。

大学生になった今でも、雨の日は何だか怖いです。

怖い話投稿:ホラーテラー マユさん  

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