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短編2
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シミ

そこは古い病院だった。

私が入院している病室の壁や天井には、汚いシミのようなものがいくつもあった。

私の病名は…今はまだよくわからない。

医師も色々調べているようだが、はっきりしたことは教えてくれない。

ところで、私はオカルトの話にかなり弱い。

だから、かどうかわからないが、こういうたくさんのシミを見ていると、そのいくつかがつい人の顔に見えてしまうことがある。

この病室で見られるシミも、例に漏れず人の顔に見えるものがあった。

その中でも、ひとつのシミはどうみても人の顔にしか見えないくらい、不気味ではっきりしていた。

しかも、どこかで見覚えのある顔…

ある日、あまりにも気味が悪いので、シミを消すように掃除婦の人にお願いした。

…その結果、シミは消えたが、何日かするとまた出てきた。

出てきたのは一番人の顔に近いシミだった…。

この古い病院には、いたるところにシミがあった。

トイレの便器や風呂のタイル、病室の床…

当然のように、人に近い形のシミも私には見えてくる。

しかも、そのどれもが、消しても出てくるし、出てきたシミは同じ顔のものばかりだった。

苦痛にゆがみ、大きく口を開け何か助けを求める様な表情。

目は真っ黒で白目がなくて…

典型的な不気味なシミ。

最近、シミを見る回数が増えた…

不治の病で苦しんで死んだ患者の亡霊か何かが、シミとなって現れているのではないか?

こうも同じようなシミを見続けると、嫌でもそういう発想が頭の中にわいてくる。

ある日、鏡を見て、一瞬ゾクッとした。

そこに映っているものが、今まで何度も見てきたシミにそっくりだったからだ。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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