彼は大きな病院の跡取り息子だった。
病院経営者ということで、金はくさるほどあった。
それゆえに、彼はわがまま放題に育った。
強い人間は金で自分の味方にし、気に入らない人間は執拗にいじめた。
そんなある日、そのいじめが度を過ぎてしまい、相手を死なせてしまった。
彼は悩んだ挙句、自分の病院の貯水タンクに死体を投げ捨てて隠した。
次の日、気になって死体を見に行くとそこに死体はなかった…。
いじめられた本人は行方不明扱いとなり、事件はウヤムヤになった。
大きくなった彼は、親の多額のコネで医学部に入った。
ある日、医学部の講師と単位のことで言い合いになった。
「お前はコネでうちの大学に入ったそうだが、単位はコネではやれないな。」
と講師は彼をののしった。
彼は、ついカーっとなってその講師を殺してしまった。
死体は以前と同じように貯水タンクに捨てた。
次の日、死体はなくなっていた。
数年後、彼は医者になった。
担当していたある患者を、ちょっとしたミスで死なせてしまった。
そのミスを患者の家族が気づいて訴訟を起こすと彼に迫った。
彼は、恐ろしさのあまり、その家族を殺した。
死体は貯水タンクに捨て、次の日、やはり死体は消えていた。
ある日、彼は多額の借金をした。
どうしてもすぐに金が必要となった。
彼は父を殺して、その遺産を自分のものにしようとした。
殺した父は、いつもの貯水タンクに捨てた。
次の日、貯水タンクの死体はなくなっていなかった。
その次の日も、次の日も、次の日も…
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話