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中編3
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心臓が凍った瞬間

1993年頃の出来事。私は新神戸の駅で新幹線がくるのを待っていた。

売店でジュースやお菓子を買い、雑誌を手にボンヤリとしていた。

時刻は午後3時ごろだっただろうか…

ホームにあまり人はいなかった。

突然、1人の女性が「キャーッ」と叫んだ。

その女性は男性と一緒に、ホームの窓から外を見ているところだった。

周りの人は何事かと窓から外を見た。慌てて私も窓に駆け寄り外を見た。

小さな川のそばに中年男性が倒れていた。仰向けで目をカッと見開いている。まるで人形のようだった。それは飛び降り死体だった。

周りの人々は「誰か警察に連絡しろー」と騒ぎ出した。誰かが警察に電話して

いるようだった。私はいや~な気持ちになった。

そのとき新幹線がきた。

私もみんなもそれに乗り込んだ。

誰かが残ったかもしれないが、頭がボーッとしていてよく見ていなかった。

ショックだった。実は飛び降り死体を見たのはこれが二度目なのだ。

私が小さい頃住んでいたところは、高層団地だった。

ここではいろいろとんでもないことが起こっていた。

ある日の夕方。習い事からの帰宅途中。

団地の坂道を歩いていたら、なぜかやたらと警官が立っている。

「この先に行くの?」と聞かれ、「この先に家があるんです」と答えたら通してくれた。

なにやらとってもいや~な予感がする。

そのまま歩いてたら、30mくらい先に黒と黄色のロープが張ってあり、たくさんの人が私の歩いている方向を凝視している。

私もその視線につられてすぐ横を見てみると、セーラー服姿の女子高生がうつ伏せで倒れていた。

飛び降り死体だった。

周りには数人の警官がいて、すぐにそれには不透明なビニール袋がかけられた。

コンクリートに人が倒れている様は異様な光景だった。

私はすぐ脇を歩いていたので、なおさらショックだった。

うつ伏せでよかった…と後からしみじみ思った。

もしも表情をあんなに近い位置(2mくらい)から見たら一生忘れられなかったかもしれない。

次の日の朝刊には小さく「女子高生飛び降り」と出ていた。

人が死ぬのは簡単なことなんだなぁと思った。

知らない人でも悲しかった。

この団地では他にもいろいろ事件があった。

ある日の夕方、隣の団地が火事になった。

消防車がきたけど、団地の道路に違法駐車がたくさんあって、団地の中までなかなか入ってこられない。

「ナンバー○○の車を、至急移動させなさい!!」とスピーカーで怒鳴る声が団地中に響いた。

団地内では違法駐車の取締ができないらしい。

本当に迷惑。

こんな車のせいで人が死んだらどーすんだ!

煙の中で誰かが助けを求めて懐中電灯をふっているのが見えた。

ハシゴ車が救出に向かったけど、階が高すぎて届かなかった。

これは後に大問題となったので、今は解決できてるに違いない。

まだある。

ある朝起きてみると向かいの団地が火事になっていた。

休日の朝だったため、火事の様子をずっと見ていた。

ただの火事だと思っていたが、(翌日の新聞によると)実は自殺のための火事だった。

自殺の方法で火事を選ぶとはなんて迷惑なやつなんだろう…

その家の周りまで焼けこげたり、水浸しになったりしちゃうじゃないか。

死ぬのは勝手だが、人に迷惑をかけずに死んでくれ。

なんでこんないやなもんばっかり見ちゃうんだろう…

宝くじに当たったりなどのラッキーなことには全然縁がないのに。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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