1993年頃の出来事。私は新神戸の駅で新幹線がくるのを待っていた。
売店でジュースやお菓子を買い、雑誌を手にボンヤリとしていた。
時刻は午後3時ごろだっただろうか…
ホームにあまり人はいなかった。
突然、1人の女性が「キャーッ」と叫んだ。
その女性は男性と一緒に、ホームの窓から外を見ているところだった。
周りの人は何事かと窓から外を見た。慌てて私も窓に駆け寄り外を見た。
小さな川のそばに中年男性が倒れていた。仰向けで目をカッと見開いている。まるで人形のようだった。それは飛び降り死体だった。
周りの人々は「誰か警察に連絡しろー」と騒ぎ出した。誰かが警察に電話して
いるようだった。私はいや~な気持ちになった。
そのとき新幹線がきた。
私もみんなもそれに乗り込んだ。
誰かが残ったかもしれないが、頭がボーッとしていてよく見ていなかった。
ショックだった。実は飛び降り死体を見たのはこれが二度目なのだ。
私が小さい頃住んでいたところは、高層団地だった。
ここではいろいろとんでもないことが起こっていた。
ある日の夕方。習い事からの帰宅途中。
団地の坂道を歩いていたら、なぜかやたらと警官が立っている。
「この先に行くの?」と聞かれ、「この先に家があるんです」と答えたら通してくれた。
なにやらとってもいや~な予感がする。
そのまま歩いてたら、30mくらい先に黒と黄色のロープが張ってあり、たくさんの人が私の歩いている方向を凝視している。
私もその視線につられてすぐ横を見てみると、セーラー服姿の女子高生がうつ伏せで倒れていた。
飛び降り死体だった。
周りには数人の警官がいて、すぐにそれには不透明なビニール袋がかけられた。
コンクリートに人が倒れている様は異様な光景だった。
私はすぐ脇を歩いていたので、なおさらショックだった。
うつ伏せでよかった…と後からしみじみ思った。
もしも表情をあんなに近い位置(2mくらい)から見たら一生忘れられなかったかもしれない。
次の日の朝刊には小さく「女子高生飛び降り」と出ていた。
人が死ぬのは簡単なことなんだなぁと思った。
知らない人でも悲しかった。
この団地では他にもいろいろ事件があった。
ある日の夕方、隣の団地が火事になった。
消防車がきたけど、団地の道路に違法駐車がたくさんあって、団地の中までなかなか入ってこられない。
「ナンバー○○の車を、至急移動させなさい!!」とスピーカーで怒鳴る声が団地中に響いた。
団地内では違法駐車の取締ができないらしい。
本当に迷惑。
こんな車のせいで人が死んだらどーすんだ!
煙の中で誰かが助けを求めて懐中電灯をふっているのが見えた。
ハシゴ車が救出に向かったけど、階が高すぎて届かなかった。
これは後に大問題となったので、今は解決できてるに違いない。
まだある。
ある朝起きてみると向かいの団地が火事になっていた。
休日の朝だったため、火事の様子をずっと見ていた。
ただの火事だと思っていたが、(翌日の新聞によると)実は自殺のための火事だった。
自殺の方法で火事を選ぶとはなんて迷惑なやつなんだろう…
その家の周りまで焼けこげたり、水浸しになったりしちゃうじゃないか。
死ぬのは勝手だが、人に迷惑をかけずに死んでくれ。
なんでこんないやなもんばっかり見ちゃうんだろう…
宝くじに当たったりなどのラッキーなことには全然縁がないのに。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話