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短編2
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さようなら…

実兄から酷い虐待を受けてた子供時代

下をむいてばかりだった自分をはげましてくれたのは家で飼ってた猫だった

ちびとミーという兄弟猫でいつも一緒にいた

ある夏の日、突然ちびの姿が見えなくなった。

捜し回ったが、見当たらず、兄は自分をあざけりながら、捜す邪魔をした。

あぁ、こいつちびになにかしたな…そう直感した

見えなくなって3日目の朝、ちびがミーと並んで、自分の布団の足元にいた

話しかけてはいけない…

何故かそんな気がした

でも、声をかけてはいられず、“ちび…帰ってきたんだね”

話しかけたとたん、ちびはまるで、ガラスが壊れるように、ぼろぼろと崩れて消えた

“死んだんだ”

涙が止まらなくて、泣いてると

母が、誰かに針金で動けないよう縛られ、死んでいたちびの遺骸を箱に入れてきた

“あいつの仕業だ”

殺してやりたいぐらい憎んだが、身体の大きい兄にはかなわず…

情けなかった

それから数年後、あの兄は劇症肝炎でのたうち回って死んだ…

よほど苦しんだのだろう

苦し紛れに身体をかきむしっていた

その傷は、まるで猫に全身を、ひっかかれたようだった

“ちびにあんなことするから、復讐されたんだよ、ざまぁみろ”

当然悲しくもなく、自分は兄の棺に、とっていたちびの遺毛を一緒にいれた

“あの世でも、いたぶられればいい”

兄が焼かれて煙になった時、猫の鳴き声がして、足元に擦り寄られたような気がした

“さようなら、またね”

心の中で、ちびにつぶやき、私は泣いた

ちびだけのために……

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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