少女は学校が終わるとすぐに近所の河原へ向かう。
「大好きなS君と私のお家の近く…そうだ!Mちゃんの家にしよう♪」
石を自分達に見立て、夢の様な未来予想図を作りあげていく。
「T君の家はMちゃんの隣に建てて~…」
暗くなるまで石を並べては妄想する。
これが少女の密かな楽しみだった。
翌日―
少女のクラスで席替えが行われた。
少女の前の席にはMちゃん。
そして二人の隣の席にはそれぞれ意中のT君とS君に決まった。
「(S君の隣の席だなんて…これから学校が楽しくなるな♪)」
そんな事を考えながら、少女はまたいつもの様に河原へ向かう。
クラスメイト達の未来を描いた世界がそこにあったのだが。
「……」
一つだけ並べていない石。
少女が苦手とするE子。
「…いらない!」
少女はE子に見立てた石を川に向かって放り投げたのだが、途中にあった大きな岩にぶつかって跳ね返って来た。
「お?お嬢ちゃん、水切りの練習かい?おじさんも昔よく遊んだものだよ。懐かしいなぁ」
そこへ通りすがりの男が来て、少女の投げた石を拾い直すと、川に向かって水平に投げる。
石は一定のリズムで川の上をバウンドするとポチャリと沈んだ。
翌日―
E子の机の上には菊の入った花瓶。
帰宅途中に跳ねられ、反対側から勢い良く向かって来た車にも跳ねられたという。
一定の間隔で血痕が残り、事故現場からかなり離れた所でE子は見つかった。
少女は河原で遊ばなくなった――
※この物語はフィクションです※
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話