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短編2
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帰省

都会に出た親友のNが実家に帰って来てるらしい。

そうか…もうそんな時期か!

酒もツマミも揃ってるそうだし…久々にバカ騒ぎでもしてやるか!

玄関先でNの婆さんに会う。

婆さんは可愛い孫が悪友とつるむのが面白くないのだろう。

怪訝な顔をして部屋に逃げ帰ると、ピシャリと襖の戸を閉めてしまった。

Nは自分の部屋へと案内してくれた。

廊下で、缶ビールとツマミを持って階段を昇っていく女性とすれ違う。

なんだよ、Nの奴…いつの間に彼女が出来たんだ?

しかもこれって同棲……っ!?

Nの顔を見ると、妹だよと教えてくれた。

嘘だろっ!?

…確かに面影はあったが、少し見ない間に随分と大人っぽくなったものだ。

挨拶も無く、目も合わせてくれない妹だったけど…

部屋に入ると、Nの机の上には缶ビールとツマミが置かれていた。

…あれか、妹はツンデレ系なんだな。

俺はその後、Nの家で明るくなるまで飲み明かした。

最高に楽しい一日だった。

-*-*-*-*-*-*-*-

「お婆ちゃん、ビールとツマミ…置いて来たよ」

部屋に入ると、お婆ちゃんがお兄ちゃんの仏壇の前で手を合わせていた。

「あぁ、ありがとうねぇ。」

私のお兄ちゃんはドライブ中に運転を誤って追突。

一緒に乗っていた友達も巻き込んで死んでしまった…

もう5年も前の話になるかな。

「きっと今頃、あのバカたれ小僧と楽しんでる頃だろうよ」

「お婆ちゃん…そんな事言っちゃ駄目だって!」

「アイツがあの子を死なせたんだよぉ…あんなモン背負っとるから……」

ま~た始まった…

私はブツブツ呟くお婆ちゃんを置いて、両親のいる部屋へと戻った。

「あのバカたれ小僧…死んでもまだ背負ってんのかい…。余程、あの女に気に入られたんだねぇ……」

※この物語はフィクションです※

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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