短編1
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山奥の洋館

本当はさ、心霊スポットみたいなところにいきたい奴なんて誰もいなかったんだよね。

けど、なぜか俺たちにくっついてるKって野郎が、熱心に誘うもんだからさ、それじゃあ、ちょっとだけ見てみるか、ってことになったのね。

車で走ること二時間、山奥の整備された林道が途切れて未舗装になったあたりが入り口らしい。

着いた時は真夜中になっていた。

三叉路になってて、勾配のキツい脇道を十分程登ると朽ちた洋館があるんだそうだ。

それじゃあ、いこうか、とKがケータイの照明を頼りに脇道に入っていく。

それを見届けた俺たちは、車に戻ってその場をあとにした。

楽しんでこいよ、K。

それが、家路を急ぐ俺たちの正直な気持ちだった。

それからKには会っていないので、心霊スポットの話はない。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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