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中編4
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同窓会

高校を卒業してかれこれ10年になる。年ってあっという間に経つんだなーとしみじみ思う。

やんちゃで女遊びが酷かった俺はまじめになり、今じゃ、妻と3才の子を少ない稼ぎで養ってる一家の大黒柱である。

先日、高校の同窓会の手紙が届いてた。妻はそれを知っており、

「行ってきなよ」

と言ってくれたが、どうしても行く気になれなかった。

安い給料でどうにか生活しているのに同窓会に行ける金などどう搾っても出る訳がないかのだから…

それでなくても妻には苦労をかけてばっかりで頭が上がらないのに。

翌日、久々に高校の時の友達から電話が来た。もちろん同窓会の事だったが俺は行けないと返事をした。

そいつは残念がっていたが二次会からでもと言われたので、

「行けたらね」

と言い電話を切った。

同窓会当日、家でのんびり過ごしていると携帯が鳴った、昨日電話してきた奴だった。内容は、俺の名前が出て、

「何であいついないの」

って始まり、

「誰かあいつに電話しろ」

ってなって電話してきたらしい。

久々に聞く声の奴らばっかりで、

「今から二次会やるからお前来い、金の心配はするな、俺等が折半して出してやる。」

と言われ、妻に相談すると言い電話を一旦切った。それを妻に言うと茶封筒を出して来て、中身を見ると2万ばかし入っていた、いつも頑張って働いてくれてるご褒美だと言ってくれた。俺は思わず妻に抱き着いてキスをしようとしたら拒否され落ち込んでたら、

「時間なくなっちゃうよ」

と言われ、速攻で行く準備をして、さっきの奴に電話かけ二次会の場所を聞き出し、足早にその場所に向かった。

現場到着、緊張が半端ない。まして、途中参加だからなおさらだ。ゆっくり扉を開け、

「ちーす、寝坊でーす。」

と学生時代によく言ってた台詞を言いながら入ると、騒いでたのが一瞬シーンと静まり返り、皆が一斉に俺に注目する。

「……久しぶり」

と言うと友達の一人が、

「また寝坊かね」

と先生みたいに言い返してくれた、皆が笑いまた騒ぎ出した。俺は仲良かった奴ら辺りに座り昔話に花が咲き、こうしてたまには旧友と呑むのもいいなとほのぼのしながら酒を飲んでた。

二次会も終わりに近づいた時に、

「そういえばお前って陰気な奴らばっかりにモテたよな。」

俺からしてみたら初耳である。

そしたらもう一人の奴が、

「そうそう、お前は誰にでも優しくするから変な奴らにばっかり好かれてた。」

確かに女子には優しくはしていた。

「誰にでも優しくするのは良いことだけどちゃんと相手は選べよ。」

俺の頭は?がいっぱい。

「こいつにそんなこと言ってもわかるわけないだろ。」

「そうだな。」

「気をつけろよ。」

正直なんで注意されるかわからなかった。

それで二次会は終了。

明日は仕事だった俺は仲間と別れを惜しみながら一人で帰宅。その帰り道、誰かにつけられてる気がして後ろ振り向くと、同じクラスだった女子(クラスであまりしゃべらなかった奴)がいた、そいつ言わく、明日も仕事で三次会には行けなく帰るところだった、たまたま帰る方向が一緒だったらしいが、声が掛けづらかったらしい。

この時間の女の一人歩きは危ないと思い、そいつの家の前まで送る事にした。幸い俺の帰り道の途中だったので遠回りせずに済んだ。

家に帰ったら、当たり前だが妻と子供は寝ていて、その寝顔にチューをして俺は眠りについた。

翌日、定時に仕事を終え帰る途中、昨日一緒に帰った奴と偶然に会い、たわいのない話しをしながら帰った。

その次の日も、その次の日も、そいつにあった。

「偶然にしては会いすぎじゃね?」

そう思った俺は帰り道を何度か変えてみても効果無し、絶対にそいつに会う。

変だなと思った俺は、そいつに会った時に、

「俺には妻と子供がいる、毎日毎日一緒に帰ってたら誤解されるから、もう一緒には帰らない。」

とハッキリ言った。

そしたらそいつは

「わかった。」

そう言って去ってった。

これで一安心だと思っていたら、翌日から俺が仕事に行ってる時間に家にイタズラ電話が頻繁に掛かってくるようになった。

その内容が、

「〇〇(俺の名前)は私のモノ早く別れろ」とか、

「〇〇(俺の名前)はあなたの事など愛してない」

だとか、無言電話も引っ切りなしに掛かってくるし、ピンポンダッシュもひどかったらしい。

それを耐え兼ねて、一日有休を使って仕事を休み家に居たら案の定電話が鳴ったり、それを取ったら無言電話だった。俺が怒鳴ってもなんの返事もない、電話を切ると数秒せずにまた電話は鳴る、その繰り返しだった。

イタズラ電話もおとなしくなって、ベランダにタバコを吸いに行ったら、目の前の公衆電話に白いワンピを着たそいつがいた。

怒りが込み上げてきて、ダッシュでその場所に行ったが、時すでに遅し、誰も居なかった。

突然その公衆電話がなり、恐る恐る出てみると甲高い声の笑い声が聞こえるだけ…

ふと自分の住んでるベランダに目をやると真っ赤に染まったワンピを着たそいつがいた。一瞬意味がわからなかった…

右手に目をやると赤く染まった包丁、左手には妻の携帯。

それで十分察した。

その場で腰が抜けた様に座り込みんだ。

受話器からはまだ笑い声が聞こえる。

座り込んだ目の前に茶封筒がありその中身を見ると何か書いてあった。

そこには…

「これでまた一緒に帰れるね。」

怖い話投稿:ホラーテラー 420さん  

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