これは2006年の12月に
俺と友人Kと友人Sの三人で
銚子に行く途中で俺が体験した話。
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俺は出発前日の深夜に、いつものようにテレビで何かホラー番組がやってないか見ていた。
チャンネルを見ずに変えていくと、途中でリモコンの反応が悪くなり分からないチャンネルで止まった。
あれ?と思いながら見てみると、怖そうな番組がはじまったところだった。
ラッキーと思いながら見たのは、「愛もしくは憎悪に関する記録」というものだった。
地下鉄に乗っていた主人公が赤い服を着た女につけ回されると言う話で、
俺は「女って怖ぇなぁ」とか思いながらもそれを最後まで見た。
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翌日、俺は少し寝不足の状態でKとSと駅に向かった。
何度か電車を乗り継いで銚子に向かう途中の成田駅でのこと。
KとSが乗り換えの電車を待っている間に飲み物でも買おうかと話し、
駅の端にある自販機へと向かうことになった。
俺は少し眠たいなぁと思いながらKとSの後ろを付いて歩いた。
KとSが喋ってる後ろで、ぼけぇっと周りを見渡しながらついて歩いていると
駅の階段を支える柱の影に赤いひらひらした物があることに気付いた。
それが何なのか気になって俺は歩きながらじっと見つめていた。
徐々にその赤い何かが見えてくると俺は一気に目が覚めた。
そこには、長い黒髪を垂れ流し華奢な体に赤いワンピースを着た女性が立っていた。
あまりの異様さに俺は、その赤い女性に釘付けになった。
赤い女性を見つめて自分の心臓の鼓動が早くなっていくのを感じて思った。
「俺、これ一目惚れじゃないよな?」
恐怖を感じつつ、そんな言葉が頭の中に浮かぶ己の馬鹿さ加減に少し気が楽になった。
ふと赤い女性の周りを見ると
赤い女性の左斜め後ろに雑誌を読む背広姿の男性、
右斜め前に若い感じの男性が立っている。
だが男性は二人とも赤い女性を気にもしていないようだった。
それを見て俺は「この二人は上級者か」とふざけたことを思った。
KとSは見てるのかな?と気になり赤い女性から目を離しKとSを見た。
二人は普通に何かを話していた。
だが、明らかにKの視界に、その赤い女性が入っている
なのにKは顔色ひとつ変えてなかった。
俺は動じないKを見て「さすが、Kすげぇな・・・」と少し感動すらした。
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自販機につき、飲み物を買って元の位置に戻ろうと来た道を戻る。
少し恐怖しながらも赤い女性に対する好奇心が込み上げてきた俺がいた。
少しの間だけ出てくる幽霊で、もう居なくなってるんじゃないか・・・とか
もしかしたら、次は俺に気付いて睨みつけてくるんじゃないか・・・とか考えながら歩く。
赤い女性の居た場所まで徐々に近付いていく。
最初は見ないように線路の方を見て歩いていたが、
好奇心が勝り赤い女性の方に振り向いてしまった。
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赤い女性は立っていた。
さっきと変わらず、じっと立ち尽くしている。
俺はすぐにKとSに話したい気持ちを抑えて歩き続けた。
赤い女性からかなり離れた所でKとSに言った
「さっきの赤い女見た?昨日見たテレビの赤い女思い出して怖かったよw」
だが、KとSは赤い女性を見ていなかった。
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ちなみに、Kに銚子に行った日の確認をしたところ、
切符が残っており2006年12月で間違いないといわれました。
トリハダは、2007年3月29日(木)から放送されていたらしく、
俺が前日に見た「愛もしくは憎悪に関する記録」はトリハダ一期の三話で
銚子に行く前日の夜に見られるはずがなかったみたいっす。
作者ゐの獅子