今回のお話は、多分…霊的なものではないと思います…。
小学校の時の修学旅行での話。
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真夜中、みんな寝静まっていた時、私はなかなか寝つけず焦っていました。
どのくらい時間が経っていたかはわかりません。
突然、誰かがむっくりと起き上がったのがわかった。
見てみると、それは友達のU。
彼女はとても明るく頼りがいのある子で、クラスでも人気者でした。
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『もしかして、Uも眠れないのかな…』と思い、話しかけようか悩んでいたら、リュックやバックを置いている所に移動するU。
お菓子でも食べるのかと思い様子を見ていたら、Uは自分のスポーツバックを開けだした。
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すると、その開けたバックの中に顔を突っ込むようにして
U『おーい、おーい』
と、なにやら話し出したのです。
この頃はまだケータイ電話とかじゃなく、持っててもポケベルの時代だったので電話してるわけもない…
何だか話しかけられる状況じゃなく、とりあえず様子を伺うことにしました。
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Uはすっかり頭をバックに突っ込んでいるようで何を話ているのかはよく聞き取れなかったのですが、
まるでバックの中に誰かいるんじゃないかと思うくらい楽しそうな様子で、時々笑ったり、かなり異様な光景でした。
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5分くらいたった頃だと思います。
それまで小声でこそこそ話していたUが、突然
U『え?二人?』
と大きな声で呟き、バックから頭を勢いよく出したかと思ったら
何事もなかったかのように布団に戻り、横になったのです。
私は何だか見てはいけないものを見てしまったような気がして、その後もなかなか寝付くことができませんでした…
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朝になり、私は眠くて仕方ありませんでしたが、そこにはいつもと同じ明るいUの姿がありました。
U『おはよう、よく寝られた?』
私『おはよ、うん、寝たよ…』
U『ふーん。』
挨拶するも、なんだか今までのようにUと接することができるのか心配でした…。
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朝食の後は軽い山登り(散歩)だったのですが、モヤモヤした気持ちが残っていてUとは離れて歩いていました。
すると、同じ部屋のAちゃんが話しかけてきて一緒に歩くことに。
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しばらく普通に会話していたのですが、
Aちゃんが急に
A『昨日の夜寝られた?』
私はちょっと間があきましたが
私『眠れなかった…』
と答えると、
A『じゃぁ、昨日のアレ、見たよね?』
少し怖い顔で聞いて来ました。
実はあの時、私の他にAちゃんも眠れなくて起きていたそうです。
そして今日、普段Uたちと一緒にいる私が距離をおいていたのを見て『もしかして…』と思って話しかけてきたそうです。
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Uのあの行動は何だったのか…
バックの中に何があるのかはその後もわかりません。
Uはそれまでと変わることなく私とも接してくれてましたし、私もAも誰にも話しませんでした。
これは怖い話になるかわかりませんが、
年に1、2度Aと会う時はついこの話をしてしまいます。
Uは誰と会話していたのでしょうか?
そして、『え?二人?』と言うUの言葉は、私とAのことだったのかな…と思うのです。
作者退会会員