私が20才の頃、今でも思い出すとゾッとする不思議な体験です。
久し振りに親友と仕事帰りに『お茶しよう』と言う事になりました。
他愛ない話でもりあがり、気が付くと終電に一つ前ぐらいの時間になっていました。
急いで駅に向かい改札に向かおうとした時
一人の男の人が目に留まりました。
その人は、見るからに身体障害者と思われ 足も悪いようでした。
親友もその時何かを感じていたらしいのですが…
その時、私は何かわかりませんが、凄く嫌~な感じがしていたんです。
改札を出ると、3段程の階段があり続いて50メートル程の通路があり40~50段の階段を下りホームになっています。
改札を出るとすぐに
中年の優しそうな駅員さんが来ました。
通路の両端に貼ってある旅行のポスターを見ながら、駅員さんと話ながら3人で歩いていいました。
後5~6歩歩いたらホームに向かう階段…
駅員さんとはさらに先のホームへ行くからとそこで別れました。
そこで、たまたま後ろを振り返ると…
さっきの男が、
改札を出て最初の3段程の階段を足を引きずりながら降りて来ていました。
親友も又同じ様にそれを気にしていました。
そして…
いよいよホームへ下りる階段を一段下りようとした時…
私達2人の後ろにもうあの男がいました。
男は2人の後ろからいきなり飛び付いて来たんです。
もの凄いスピードでなければ追い付くはずない距離で、私達はあまりの驚きにパニクってしまい、思わず男を突き飛ばしてしまいました。
男は50段近い階段を転げ落ちていきました。
私達は
『冷静に! 冷静に!』と…
しかし…
『あの男さっきづーと後ろの方歩いてたよねぇ!』
『足悪かったよね!』
『どうやってあんなに早く後ろに来れたの!?』
『足音しなかったよね!』
『落ちたけどどうなった!?』
など2人で話しましたが、どう考えても分らず気持ち悪くてたまりませんでした。
しかし終電で帰らなくてはならなかったので、恐る恐るホームに向かいましたが、男は50段近い階段を落ちたにもかかわらず何事もなかった様に、ホームに立っていました。
私達は降りる駅が違っていたので、男と同じ駅だったらどうしよう…!
と、男を影から見ていました。
幸い私達の一つ前の駅で降りたので ホッ!としましたが
今でも、あの男の素早い動きと、近付いて来る時の気持ちや顔を想像するとゾッとしてしまいます。
怖い話投稿:ホラーテラー ひーちゃんさん
作者怖話