中編4
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人毛カツラ

初投稿です

読みにくい所があるかもしれませんが、お許しください

私が幼い頃に、人毛カツラの怖い話を祖母から聞きました

昔、あるお婆さんが抜け毛に悩み、カツラを多く取り扱っている店に行きました

お婆さんは、たくさんのカツラの中で、とても気に入った物がありました

髪色が自分の髪と似ているものがある点、人毛なので軋みが少ない点などを店員から聞き、そして、値段を見て購入したのでした

家に帰り、早速購入したカツラをつけてみると、自分の髪の毛とすぐに馴染み、不自然な見た目でもなかったので、お婆さんは満足しました

そして、お婆さんはお風呂に入るためにカツラをはずし、カツラと一緒に購入した、カツラスタンドにカツラを置きました

お婆さんは、お風呂に入った後、ご飯を食べ、少し早めに床に就きました

すると、少ししてから誰かの声が聞こえて目を覚ましました

耳をすますと、

『~%△#*≠~しくしく‥‥』

と、女の人がすすり泣くような声が聞こえました

お婆さんは、カツラスタンドの方から声がするという事が、すぐに解りました

お婆さんは怖くなり、布団の中で念仏を唱えながら、いつしか眠ってしまいました

お婆さんは、朝起きると、カツラを手にとって見てみましたが、何も変わったところがなかったので、寝ぼけていただけだったんだと思いました

しかし、次の日も、その次の日も、女の人が啜り泣く声が聞こえました

(あたしにも、ついにお迎えが来たのかね‥)

お婆さんは、神様が迎えに来たと思いました

女の人の声が聞こえるようになってから、2週間くらい経ったある日、お婆さんの家に娘が突然やって来ました

「まあ、お母さん!!このカツラ、とっても素敵ね」

娘は、カツラスタンドに被せてあったカツラを見て、そう言いました

そこでお婆さんは、2週間程続いた不思議な出来事を娘に話しました

娘は話を聞き終わるなり、カツラとカツラスタンドの周りに皿に盛った塩を4つ置きました

「すぐにカツラの事を調べるから、お母さんはしばらく私の家で一緒に暮らそう」

娘は言いました

お婆さんは心細かった事もあり、娘の厚意に甘えることにしました

娘の家で暮らし始めて1週間程経ったころ、カツラから聞こえた声が何なのか解りました

カンボジアなどの国では昔、貧しい家の女性は生活に困ると、髪の毛を売って生計を立てていたそうです(今はわかりませんが)

お婆さんが聞いた泣き声は、髪の毛を売った女性が髪の毛を手放したくなくて悲しんで自分の髪の毛の元にきた、という事になりました

お婆さんと娘は、カツラをお寺に持って行き、お祓いをしてもらった後、カツラを購入した店に「お金はいらないので‥」と言い、カツラを返しました

私が祖母から聞いた話はここまでで、その後お婆さんがどうなったのかはわかりませんが、半年程前にこんな事がありました

私のいとこ(17歳)は、ショートヘアなのですが、髪型に飽きたという理由で、通信販売でカツラを購入しました

私「あー!!そのカツラどうしたの?」

いとこ「今の髪型に飽きたから、買ったんよ」

私「へー!!いいなー♪いくらー??」

いとこ「三千円くらい!!」

など、いつものように話していると、いとこが急に真剣な顔になり、こんな事を言い始めました

いとこ「それより○○(私の名前)、このカツラ変なんよ」

私「何が??」

いとこ「一昨日の夜寝てたら、泣き声みたいなんが聞こえて‥」

私「もー!!あたしがビビりだからって、からかっとんの!?」

しかし、いとこは冗談を言っている様には見えませんでした

いとこは、声が聞こえた原因に思い当たる事が一つあると言いました

カツラから泣き声が聞こえた前日、いとこは自転車に乗っていて不注意により転んでしまったらしいです

そのときにカツラが取れて、反対側から来た自転車に踏まれてしまったようなのですが、自転車に乗っていた女の人は、すぐに自転車から降りてカツラを拾って、汚れを払いながら「ごめんなさい」と、いとこに謝ったそうです

いとこ「買ってから長いけど、泣き声が聞こえたの初めてだし‥」

私は、家に帰って調べてみると言い、その日は別れました

そして、母に

私「なぁー、○○(いとこの名前)ちゃんのカツラから、泣き声が聞こえるんて」

と、今日いとこから聞いた話を母に話しました

母「ばあちゃんから聞いた話と似とるね~お祓いしたら??」

そこで、いとこに祖母の話とお祓いの件を伝えました

いとこは、これからも声が聞こえるようならお祓いに行く、といいましたが、結局声が聞こえたのは1度だけだったらしいです

ちなみに、いとこは今も生きています

怖い話投稿:ホラーテラー 佐藤純一さん  

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