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短編2
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カチャカチャ

これは、

私が物心ついた頃から、中学校1年の終わりまで毎晩のように体験した話です。

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私は5歳だったのでよく覚えていませんが、その頃は祖父の部屋で、祖父の横に布団を敷いて寝ていました。

ある日の晩11~12時頃でした、祖父の部屋のとなりの和室から、

「カチャ・・・カチャ・・・」と金属音がするのです。

その音は何回も鳴り続けましたが、不気味な音ではありませんでした。

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最初はなんとも思わなかったのですが、それは毎晩鳴り続けました。

その晩も11~12時にかけて「カチャ・・・カチャ・・・」

次の日、気になって仕方なかった私は、勇気を出して和室を除くことにしました。

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そして11時頃

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また和室から「カチャ・・・カチャ・・・」

私はそーっと、和室のふすまを開けました。

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その瞬間。

音はピタッと止まりました。

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次の日にまた気になってしまうので、祖父に聞いてみることにしました。

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私「ねえ、おじいちゃん」

祖父「なに?」

私「毎日ね、和室から夜になると、かちゃかちゃっておとがするの、あれなーに?」

祖父「それはね、和室に刀が飾ってあるだろ?あの刀はうちの何代も前は、武士の家系だったんだ、

だから、その刀の持ち主はその刀を大切にしてて、自分が死んでからも、刀が心配で成仏できないんだよ。」

私「へぇ~・・・」

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私はまだよくそのことが、どういうことかよくわりませんでした。

そして数年後、小学校6年生の半ばでした、それまで私はバスケをやっていたのですが、

母親の希望から、剣道を始めることになりました。

最初は練習ばかりの毎日でした、

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ある日中学校1年生の半ば頃です。

先生「お前今度、個人戦出してやるよ。」

私「ほんとですか!?ありがとうございます!」

そして私は個人戦に出場し、小さな大会ではあったのでが、初めてながら4位になることができたのです。

その日は嬉しくて、眠れませんでした。

自分の部屋で寝れずにいつまでも起きていると、

いつもだったら「カチャ・・・カチャ・・」と音がするはずなのですが、その日以後全く音が途絶えてしまいました。

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1週間ほど経って、また祖父に聞くことにしました。

私「ねえじいちゃん。俺がちっちゃい頃言ってたあの音の話覚えてる?」

祖父「ああ、覚えてるよ」

私「あの音この間からピタッとならなくなっちゃったんだ。」

祖父「ああ、それはお前この間剣道の試合で4位になっただろ?それまで成仏できなかった持ち主が、

安心してお前に刀を預けることができるって、やっと成仏できたんだよ。」

私「ああ・・・」

私は嬉しい気持ちと同時に、なんだか複雑な気持ちになりました。

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今はもう剣道はやっていないですが、私はその刀を自分の部屋の押入れにしまって大切に保管しています。

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終わり

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