これは、私がまだ中学生の時のお話です。
部活が終わり家に帰りご飯を食べ残りの時間をダラダラと過ごしていました。
あれは何時頃だったでしょう。
布団の上で漫画を読んでいました。
パラパラと漫画を捲っていた時、ふと隣に変な気配が立ちました。
それが気になり何気なしに顔を上げまして。
すると、そこに居たのは
『真っ黒』
な影でした。本当に真っ黒でした。目も口も耳も鼻も全身真っ黒な人型の影が立って居たのです。
私はまるで何かに押さえつけられたかのようにその場に動けなく成りました。
しばらく影を見つめていると、ゆっくりと影の首が此方を向いたのです。
目は無いのに…顔中真っ黒なのに何故か目が合ったと思いました。
そして、その影と目を合わせたまま何分かだった時、その影は寝室の入り口から出て行き消えました。
その瞬間体が軽くなり、動けるように成りました。そして、母に
「寝室に来た?」
と訪ねると
「行ってない。」
と言われました。
そして、私は確かに母では無い事を思い出しました。あの影は男性でした。体格的にも身長的にも。だから母の筈が無いのです。
なのに、何故でしょう?あの影は全く怖く有りませんでした。
そして、あの影は一体何なのでしょうか…
作者香