これは僕がまだちいさかった頃、田舎のおばあちゃんの家に泊まったときの話です。
僕はある夜、突然目が覚めました。
詳しい時間は覚えていませんが、確か深夜2、3時ぐらいだったと思います。
当然、家族も寝静まっていて、外もまだ真っ暗です。
僕はもう少し眠ろうと思って布団に潜り込みました。
けれど、どうも周りの空気がおかしいんです。
何かがあるわけではないけれど、とても怖かったんです。
僕は寝付けないまま、しばらく布団にくるまっていました。
ですが、僕は酷く喉が乾いていたので、水が飲みたくなってきてしまい、ホントは嫌ですが、台所に水を飲みに行くことにしました。
僕はこわごわ布団から出ると、ゆっくりゆっくり台所に向かいました。
ですが、何にも遭遇せず、すんなりと台所までたどり着くことが出来ました。
ほっとした僕は、冷蔵庫に置いってあった水を、コップ一杯分だけ飲んで、またゆっくりゆっくり帰ろうとしました。
しかし、みんなのいる寝室のドアの前で、誰かが走っているような足音が聞こえました。
僕は誰かが起きてきたのかな、と軽く考えて、音のする方を振り返りました。
そこには体中真っ青な男のヒトが、物凄い形相で、両手を前に、つかみかかるように突き出しながら、こちらに走ってきていました。
僕は恐怖で叫び、寝室に転がり込んで、ドアに鍵を掛けました。
その後は、布団にくるまって一晩中震えていました。
今でも、あの形相と突き出された両手を思い出し、あのとき捕まっていたらと思うと、背筋が凍ります。
一体あれは何だったのでしょうか?
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話