「世界まるみえ特捜部」で観たばかりの実話です。
心霊等オカルトな話ではありませんのでご了承下さい。
今から3年前、インドのとある村に可愛い女の子が誕生しました。
両親は大変喜びましたが、その赤ん坊には特別な身体の相違が見られ、正直、戸惑いもあったようです。
その女の子(仮にAちゃんとします)には、手が4本、足が4本ついていました。私達の体でいうと、お腹の辺りから下に、もう一体胴体が逆さまにくっついている状態です。
皆さんはベトちゃんドクちゃんをご存知でしょうか。彼らは双子ですが、胴体が一つに繋がっていました。二人の臓器は別々だったため分離手術を行い、それは成功しました。
しかしその後、一人は元気に生活出来るようになったのですが、もう一人は体調が優れず、残念ながら何年か前に亡くなったとニュースで知りました。
インドのAちゃんも、本当は双子だったそうです。
ただ、胎児の成長過程で、何故かもう一人の子の頭部は作られず、首から下の胴体だけが、Aちゃんの胴体に逆さまに合体してしまったということでした。
インドでは手足が8本の女神(名前を忘れました)が崇められていているので、Aちゃんの誕生は村人にとって、「女神の生まれ変わり」であり、高貴な存在であると大きな話題になりました。
ところが、このままの状態だとAちゃんの身体に危険が迫る可能性があると、医師から言われ、両親は悩んだ末、Aちゃんに手術を施すことを決心します。
Aちゃんの腎臓の一つが、繋がった胴体の下の方にあったり、もう一組の手足と共に脊髄も切断しなければならなかったりと、非常に困難な長時間の大手術でしたが、無事、Aちゃんの体は分離されました。
手術から一年が経ち、現在、Aちゃん一家は別の村で平穏に暮らしています。
退院後、いろんな騒ぎからAちゃんを守るために引越したのです。
そしてAちゃんは、今も小さな体でリハビリを続け、なんと、2本の足で真っ直ぐ立てるようにまでなっていました。
彼女はまだ3歳ですから、これから先、ドンドン成長して普通に歩いたり走ったり出来るようになるでしょう。(そう願います!!)
私はAちゃんがたった2歳で大手術に耐え、今も頑張っている姿に思わず涙してしまいましたが、Aちゃんの双子として、この世に生を受けるはずだった、もう一人の子の体は分離された後、どうなってしまったのか、それが気になって複雑な気持ちです。
ちゃんと、大事に葬ってあげたのかな。
勿論、Aちゃんの状況からして、手術は必要だった訳だし、成功して本当に良かった!!のだけれど…なんだか切ないというか、言いようの無い感情に襲われました。
ベトナムのベトちゃんドクちゃんの場合は、枯葉剤の影響が大きいとされていますが、日本でも昔はサリドマイドによる障害が出ていました。
Aちゃんの場合は原因がわかりませんが、世界中で、あらゆる薬害によって身体に悪影響を及ぼされている人達は大勢います。
しかも加害者側が無知だった結果ではなく、有害を承知で堂々と金儲けしている企業だってあるのですから、世の中どこまで信用していいのかわかりません。
遺伝子レベルの異常なら、何世代も後になって顕れる事もある為、結局うやむやにされてしまうのです。
人間の良心が金に負けてしまう恐ろしさは比類無いかもしれません。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話