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短編2
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目の当たりにした…

ついこないだ とある知り合いの店に遊びに行った時 話の流れが心霊話になり その店のマスター(以前から知り合いなのだが)に 『マスター!何か霊体験てありますか?』と訊ねると『俺?実はたくさんあるよ』と言うので 興味深く訊いてみた。

するとマスターが『実は俺 黙ってたけど特殊な能力の持ち主なんだよ…』と話し始めた。

マスターの持つ能力とは話すと長くなるので また今度の機会にするが 何しろ尋常な人間ではない事だけは確かである。

もう一人 遊びに来ていた女性客とマスターと自分の三人で 霊体験の話をしていた時 その女性客が自らの体験を話し終えたとたん『うわっ!急に凄い寒気と鳥肌!』と言った するとマスターが『今 アナタの後ろに女の霊が居たよ 念で飛ばしておいたけど』とマスターはあっさり…そしてマスターは こう続けた『今ね アナタの話の主人公になってる自殺者の霊が 自分を話題にしてくれてる事に反応して 自殺現場から飛んで来たんだよ アナタは霊媒体質だから その話をあまりしない方がいいね』と言った。

それから一時間くらいが過ぎ 今度は自分が体験談を語っている最中 マスターがその女性客に向かって突然『すぐ店の外に出て 道路の向こう側へ行って!さぁ 早く!』と言いながら 女性を表へ連れ出し 道路の向こう側へと走りだした。

心配になった自分は その光景を見ようと表に出たが マスターが『君はこっちへ来ちゃダメ!そこに立って良いと言うまで ドアノブでも触っててね』と言われた。

そのまま 道路向こうでの光景を見ていたのだが マスターは女性客の背中を手で擦り 最後に両手で背中を叩くと 何もない空中に向かって合掌した。

そして 女性を連れ走りながらこちらへと戻り 急いで店に入り 入り口を閉めた。

『どうしたんですか?』と訊くと『今ね さっき帰したはずの自殺者の霊が彼女の背中にしがみついてて 体の中に入ろうとしてたんだよ』と言っていた。

『この敷地内に結界を張ったから もう入ってはこれないけど まだその辺りを浮遊してる恐れがあるから 帰り道は気をつけてね もし車の運転中に気配がしても絶対に振り返ったりしちゃダメだよ』と言われた。

その後 明け方まで話し込み解散したが その女性がどうなったかは知らない。

怖い話投稿:ホラーテラー 初狩 茜さん  

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