こないだ俺が経験した話……
外灯もまばらな夜道を歩いててん。
つけてくる足音に振り返ると、髪の長い…明らかにこの世のものとは思われへん女と目が合っても〜た。
その瞬間!!ヤバイ!!
女は髪を振り乱して突進してきよった!!
キャーーーですよ!!
叫んだのは俺の方。
Bダッシュで逃げた!!
でも女は恐ろしく足が速いねん!!
追いつかれる!!
しかし俺の速さも並やないで〜!!
陸上で県大会に出た事だってあるんやからな。
見てろよ!!
と気合を入れてさらに加速する。
どうやッッ!?
しかし女は余裕〜で追い上げてくる。
クソッタレ(>_<)
登り坂に差し掛かった。
実は俺…登りが大の苦手。
アッサリと抜かれても〜た。
悔しい!!
追い抜きざまに女は
「フッ」
と鼻で笑いやがった。
なめんなよ!!
暫く女の後ろを走ってたけど、峠のカーブで抜き返してやった。
ざま〜みろ。
休憩所があったから、2人で長机の水を飲んだ。
おばちゃんがタオルをくれた。
次の休憩所は5km先や。
もう山は抜けて、気持ちのエェ海沿いを走ってる。
よ〜し!!
一気に距離をあけたんでぃ!!
海から太陽が昇ってくる。
全てが黄金色に染まる。
波頭の1つ1つがキラキラと照りかえす。
何て綺麗なんだろう。
フと気がついて後ろを振り返ると、女はもうおらへんかった…
怖い話投稿:ホラーテラー ウルトラの親戚さん
作者怖話