あれは深夜の名神高速道路。
車で快調に走っていると不思議な光景が目に飛び込んできた。
お爺さんが俺の車の横をピッタリと走っている。
メーターを見ると時速100キロ。
ありえへんッッ!!
ビックリしすぎて、言葉にならない…
そのお爺さんは俺の車を追い越して行った。
負けるものかッッ!!
俺はアクセルを踏み込んだ!!
時速160キロでお爺さんを追い越す。
バックミラーに写る爺さんは………
さらに加速してきのだ!!
キャーーーーーーッッ!!!!
叫んだのは、もちろん俺。
お爺さんは追い抜きざまに、お尻ペンペンをしていた様に見えた。
バカにしやがって!!
ステアリングを握り直し、お爺さんを追う。
重低音の排気音が闇夜に吠える。
ブースト圧のメーターが跳ね上がる。
220キロまで加速した頃に、また俺はお爺さんに並んだ。
その時、俺達の横を四つん這い婆さんがすり抜けて行った!!
負けじと急加速するお爺さん!!
ちょっと悔しそうな顔をしている様に見えた。
俺も加速して四つん這い婆さんとお爺さんを追う。
300キロオーバーの俺達のバトルは果てしなく、何処までも続いた……
夜明けのサービスエリア。
薄れゆく星空の下に俺達3人の影があった。
熱い缶コーヒーを片手に語り明かした俺達には、昇る朝日が眩しかった。
怖い話投稿:ホラーテラー ウルトラの従兄弟さん
作者怖話