道産子です。
連続投稿失礼いたします。
よくある話かもしれないですがこれも体験した話です。
毎年、お盆には車で4時間位の海沿いにある祖母の家に、
お墓参りもかねて、何泊かするんです。
祖母の家から道を挟んで海が見え、すぐ裏には山があり
隣りには山の上にある神社に行くための階段があります。
夕日が差し込む時間になると、隣りにある階段を駆け上り
黄金に輝く海と真っ赤に染まる空が幻想的で、
夕日が沈むまでその景色を見ているほど好きでした。
(ちなみにヒグマがでるので、あまり暗くなるまで山にはいれません)
それほど好きな場所ですが、行く道中の最後の峠がとても嫌なんです。
人形の件から、少しずつ変なものが見えたり、感じたり聞こえたりするようになり、
特にこの峠が一番そういう物を感じる場所だったからです。
その峠はいつも霧がでてるか曇りか雨…でジメジメした雰囲気で
最初はなにかに追われている感覚なだけで怖かったのですが
徐々に鈴の音が聞こえるようになり、その音は「シャン…シャン…」とゆっくり歩く感じ
頂上を超えたあたりから峠を過ぎるまで「シャンシャンシャン」とだんだん早いテンポで、
音もだんだんと大きくなり、もうすぐ車の後ろじゃないかと思い振り返ると音がしなくなるんです。
この音は家族には聞こえません。
音だけなのでそんなに気にしなくなった高校生の頃、
その時は父が行けなくなり母の運転で、助手席に僕、後部座席に妹をのせて
祖母の家まで行く事になりました。
昼を過ぎてからの出発だったので、その峠に差し掛かるころには、
夕暮れ時で夕日が綺麗だったので、
いつも嫌な峠も少しは好きになるかもと思っていましたが、
その思いはすぐになくなることに…
その峠に入る手間から一台の軽自動車が前を走行していて、峠を一緒に走行する形になったので、少し安心していました。
するとまたあの鈴の音が聞こえてきました、いつもより早い段階で聞こえだしたので何故か不安になり、早く峠を越えたいせいで母に、直線であの軽自動車を追抜いてとお願いしました。
母も軽自動車が遅いので抜かそうと思っていたらしく、
すんなり了承してくれてチャンスを待つために接近していくと、軽自動車は運転手を含め2人で乗っているようでした。
急なカーブが多いので接近しては離れての繰り返しで、なかなか追抜けないでいると
聞こえていた鈴音が急にやみました。やんだと言うより通り過ぎて聞こえなくなった感じです。
ホッとしていると母が前の車を見て「あれ?3人乗ってたんだね~」とつぶやいたので、
前を見てみると確かに3人乗ってる…と思った瞬間、接近しすぎて前の車がスピードを落とした事に反応が遅れ、ぶつかる寸前で急ブレーキをかけ停止…
後続車がいなかったのが救いでした。
気を取り直して車を発信させ、軽自動車は見えなくなっていましたが、
しばらくしたらまた追いついてしまった。
今度は慎重に車間をあけて走行することに…
しばらく行くと急に後部座席の妹が
「なんで3人ってわかったの?スモーク貼ってるから見えないじゃん」と…
「スモーク?貼っていなかったよ~」と言いながらまた接近する母…
車の中まで見える位置に来ると一気に鳥肌がたち、
母と妹は小さく悲鳴をあげていました。
軽自動車のあの狭い車内に黒い和服を着た人が何人も詰め込んだように
乗っていてその顔は不自然な体勢でこちらに顔を向けていました。
丁度カーブ続きで車間を開けることしかできませんでしたが、
峠の頂上付近の手前に小さく入りづらいパーキングエリアに入る軽自動車をみたので、
そのあとはものすごいスピードで峠を越えました。
峠の下りの運転の仕方も怖かったのですが、例の鈴の音も再開し、CDからはうめき声が聞こえ、後部座席の妹はギャーギャーと悲鳴を上げていました。
妹は車の後ろにしがみつく眼球のない無表情のお坊さん?を見て悲鳴をあげていたみたいです。それ以降その峠は使わなくなりました。
作者まりもっこり
連続で失礼します。