最近立て続けに同じ夢を見る。
普段と同じ教室、同じ机でテストを受けている自分の夢。
夢の始まりは決まって「それでは、試験開始」という試験官の号令で始まる。
夢の中の私は唐突に始まったテストに困惑しながらも、テスト用紙をひっくり返し、テストを始めるのだが…
これがまたさっぱり分からない。
一通り問題に目を通すのだが、一問たりとも答えられる問題がない。
そして、頭を抱えて悩んでいるところで目が覚める。
こんな日が幾日も続き、次第に私の中である仮定が出来上がっていった。
『もしかして、この夢は今度の期末試験なのでは?』
そう考えた私は、思い出せる限り試験問題を書き出し、解答を作っていった。
足りない部分は後日夢を見た直後に書き足し、私は解答を完成させた。
そして、期末試験当日。
普段よりも寝坊をしてしまった私は、慌てて学校へと向かった。
学校に着き、急いで教室に向かうと、既に私の机にはテスト用紙が裏返しに置かれていた。
『良かった!間に合った!』
私が席に着くと、
「それでは、試験開始。」という試験官の号令で試験が始まった。
私は唐突に始まった試験に困惑しながらも、テスト用紙をひっくり返し、テストを始めた…
が…
『夢と違うじゃねぇかよ。』
私は悪態ついた。
そして、教室中を巡回している試験官が私の後ろに来て、耳元で呟いた。
「夢とは違うんだよ。」
怖い話投稿:ホラーテラー 王様のムスコは王子様さん
作者怖話