それは夕飯の前の事。
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居間の炬燵で私は一人ぬくぬくしていた。
炬燵の暖かさでうとうととしていた時、
ヴー、ヴー、ヴー
突然携帯(ガラケー)が振動し始めた。
最初はメールだと思った。
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ヴー、ヴー、ヴー
鳴り止まない。
眠いが友達が電話してるなんてきっと大事な用事に違いない。
そう思って手元の携帯を開いた。
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新着
‘公衆電話’
今時公衆電話何て珍しい。
そしてそれは私の人生初の公衆電話からの着信だった。
その事に少し感動していた。
そんな事をしていると
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ヴー、ヴー、ヴ。
止まってしまった。
慌ててリダイヤルしようとしたが、公衆電話だったためリダイヤルなんて出来なかった。
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それと何と無く出たいとは思えなかった。
私は知らない番号でも出ようと思うとほぼ知り合いだったりするがこんなにも出たくないと思ったのは初めてのことだった。
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それに友達ならば留守電に用件を入れる筈だ。
だが、生憎留守電は無くその時はそのまま終わってしまった。
…それがあり得ないと知ったのは着信が来てから二時間近く経った時だった。
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夕飯も食べ終わり家族でのんびりしている時に不意に公衆電話の事を思い出した。
高校生にもなって恥ずかしいが何せ人生初の公衆電話からの着信だったから何故か嬉しくなって両親に話した。
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一通り話すと両親共に訳がわからない、という顔をしていた。
私「どうしたの?」
父「いや、ちょっとおかしくないか?」
私「何が?」
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私がそういうと母が
母「家はみんな公衆電話からの着信は拒否してる筈なのよね。」
両親によると我が家は自営業をしているため公衆電話からの問い合わせを無くす為に家電と(そのついでに)家族全員の携帯を設定していた。
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どうやら私の携帯も父によりそういう設定になっていたらしい。
つまり、私の携帯に‘公衆電話’からの着信は“ありえない”
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…では誰が電話をかけて来たのだろうか。
そもそも何故"繋がった"のか。
携帯のバグなのか。
私には分からない。
でもかかって来たのは事実だ。
記録はきちんとあったから。
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No.01 不在着信
01/03 18:28
Name 公衆電話
作者みーくん
今日あったことです。
投稿までに時間がかかりました。
今のところこれしか無いので後日談は出来たらまた投稿します。