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短編2
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食べていた物

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僕には小学生から中学生まで一緒だった、ある友人がいました。

彼はとても頭が良く、いつも他の人とは違う視点でものを見て、同年代では思いつかないような知的な意見を口にしていました。

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ですが中学生の途中から登校拒否をするようになり、僕も会う機会が少なくなっていきました。

同級生達の間では彼のことを「やっぱり頭が良すぎて、少しおかしくなったんだろうな」と見るようになり、僕もなんとなくそうかもしれないと納得していました。

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そんなある日、久しぶりに顔でも見に行こうということで、僕は一人でその友人の家を訪れました。

友人のお母さんは久しぶりに訪れた僕を大変嬉しそうに迎えてくれました。

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ですがタイミングが悪く友人は食事中であり、お母さんは「構わないから上がって」と申し訳なさそうに言いました。

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友人は自分の部屋で食事をしているらしかったのですが、構わないというので僕は彼の部屋に向かおうとしました。

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するとお母さんは「○○くんは、お腹減ってない?」と尋ねてきたので、とくに空腹ではなかった僕は「大丈夫です」と断りしました。

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友人の部屋の前に立つと、何やら異臭が漂っていました。

もしかしてずっと引きこもって不潔にしてるんじゃないだろうかと思い少し不安になりましたが、ここは元気よく接しようと、僕は勢いよく部屋のドアを開けました。

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不安は的中し部屋はものすごく汚れており、

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その中に僕の方を驚いた表情で振り返る友人を見つけました。

ですが、その友人の顔を見た僕は、もっと驚きました。

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口の周りを真っ赤にし、手には何か茶色い毛のようなものがついた肉の塊を持っていました。

そして僕だという事に気付いた友人は、ニタ〜と笑っていました。

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すると突然背後から

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「よかったら、○○くんも食べてね?」とお母さんの声がし、怖くなった僕は慌てて家を飛び出しました。

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それから数年が経ち、彼は僕よりも良い高校に入ったそうですが、やはりすぐに登校拒否になり、現在はどうしているか噂にも聞きません。

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その友人の家があった場所は、大きなマンション建設のために一帯が取り壊されましたが、それから数年経った今も、そこは空き地のままです。

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友人の身に何があったのか、そしてあの時僕に何を食べさせようとしたのか、

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考えるだけでゾッとします。

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