初めて投稿させていただきます。ホン怖ファンならおそらく聞いたことがあるであろう話です。この話を聞いたのはもう5年以上前になると思いますが、いまだに脳裏に焼き付いて忘れられません。
以降は、この物語の人物になりきって書かせていただきます。ご了承ください。
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これは、私と私の友人達が体験したお話。
私たちはその日、心霊スポットに肝試しに出かけた。
メンバーは私、私の女友達A、男友達のB、C。
Bの手には心霊現象をこの手でおさめようとビデオカメラが握られていた。
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心霊スポット…というのも忘れ去られた古い二階建ての家で、夜だけあって一層不気味さを増していた。
そこで私は気がついた。
二階の窓のカーテンが少し開いている。
まるで今なお、誰かがそのカーテンの向こうから私たちを見ているかのように。
私は一瞬背筋に冷たい汗が流れたが、ここで引き返すのも嫌だったので、はしゃぐ友人たちと共に家の玄関へ向かった。
「開けるぞ。」
Cが尋ね、私たちがうなずく。
Cがそぉ…っと玄関の扉を開いた。
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中はさすがに心霊スポットというだけあってか不気味な気配。
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shake
「おっじゃましまーーーすっっ!!」
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唐突に隣のAが大声を出し、私とBとCがギョッとAを見る。
「…ちょっと!!びっくりするじゃんか!!」
Aを一喝するとAは「いや~挨拶ぐらいしなくちゃなって思ってw」と言う。
その場は自然に和らぎ、私たちは自然体のまま家の中の全ての部屋を見て回った。
確かに家の中は荒れていたけれど、心霊現象らしいものは起きなかった。
収穫がないままの帰り際、玄関でAが再び
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shake
「おっじゃましましたーーっっ!!」
といった。私たちは今度は驚かなかった。
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外に出た直後、Bが撮影した映像を見ようと言い出した。
私たちは家の前の道路で輪になってBが撮影した映像を見ることにした。
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映像がスタートされ、小さな画面に家の前の映像が映る。
確かこの後、Aがふざけるんだよな…
と思っていると画面か『おっじゃましまーーすっっ!!』とAの声が響いた。
その後に私の怒る声。
(……あれ?)
私はさっきのAの声と私の声の合間に何か聞こえたような気がした。
「ねえ、音量上げて、さっきのシーンもっかいやって。」
Bが怪訝そうに私を見ると音量を上げてさっきのシーンを再生した。
『おっじゃましまーーすっっ!!』この声の後…
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『いらっしゃ…い』
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確かに、聞こえた。私たちは誰もしゃべっていない。
私たちは互いに顔を見合わせた。Aはすでに顔が真っ青だった。
急にあたりの空気が冷たくなった気がした。
その間、ビデオは再生を続ける。
家の中を順々に見て回り、最後の玄関のところになった。
「おっじゃましましたーーっっ!!」Aの陽気な声の後…
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shake
「帰るなっっ!!!」
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太い男の声だった。
私たちは逃げるようにその場を後にした。
みなさまも肝試しの際は、ご注意ください。
作者退会会員