短編2
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自殺の名所

このサイトを読んでる方にも その自殺の名所になっている吊り橋をご存知の方が居ると思います。

その吊り橋は群馬県の東部に位置する 渓谷に架かる橋で 現在は新しい橋に架け変わっています。

かれこれ20年近く前の話しですが その日私は男友達二人・女友達一人に私の 合計四人で夜中吊り橋に行きました。

その吊り橋へ行くには車を停め 階段を降り突き当たると右側に橋が架かっています。

その階段の降り口を塞ぐ様にして 一台の車が停まっていました。

車の表に三人の男性がタバコを吸いながら座っていたので 声を掛けました。

私『もう橋へ行ったの?』男性『行ったよ あんた達 これからかい?』 私『そうだよ おたく達 三人?』

男性『そう三人! まぁ 気をつけてな(笑)』なんて会話をしました。

そして階段を降りて 突き当たりまで来た時に友達の一人が

『ジャンケンして負けた奴が まず一人で橋の向こうまで行くのはどう?』と言うので

『面白いから やろうぜ』などと言いながら ジャンケンを始めました。

そして一番負けも決まり さて行こうか!となった瞬間!

橋の向こう側から 『タッタッタッタッ…』と 誰かがこちらへ向かって走って来る足音が聞こえて来ました。

橋の向こう側は漆黒の闇です。私達一同は皆で顔を見合せ『えっ?』と言った表情。

そうこうしてる内に 『それ』はやって来ました。若い女でした。

私達の横 1メートルくらいの位置を脇目も振らず通り過ぎ

階段を駆け登って行ったのです。

階段を登って行く後ろ姿も暗闇に消え 階段の上まで行ったのか?も確認は出来ませんでした。

階段の両脇は右側に山 左側は谷なので上り切るしか道はありません。ですので『なんだ さっき車のとこに居た人たちの連れだな』と思っていました。

なんとなくシラケてしまった私達は 階段を上がり降り口へ着きました。

すると先ほどの男性三人がまだ居たので 『あんた達三人じゃなくて 女性が一人居たんだね!』と言うと

『ん?俺たちは三人だよ。女なんか居ないよ!』と言われ

『んじゃ さっき女が一人で階段上がって来たでしょ?』と訊いたら『いや絶対に来てないよ』と…

それから何年も経ち ある霊能者に会う機会があり その話をすると霊能者は

『それは自殺者の念が形になって 存在を見せに来た』と言ってました

怖い話投稿:ホラーテラー 湯の華饅頭さん  

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