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中学2年の夏休み、8月に入ったばかりの日だ。
きっかけは友人のAが放った一言だった。
「ねえ、お前と俺とB(友人)で、D山に行こうよ」
その言葉に僕は少し戸惑った。
D山は、自殺の名所で有名な山だったからだ。
しかし、夏休みで暇ということもあり、
僕達3人は、D山に行く事を決めた。
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さすがに夜に行く気にはならず、僕達は
昼間に山に行く事にした。
いざ、山に入ってみると始めはとても怖かったが、
特に何も起きず、僕達はだんだん飽き始めていた。
その時だった。
お、おい・・・あれ・・・
Cが小さく声を出した。
何だよ・・・僕達はCの指す方向を見る。
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少し開けたその場所に何かが見えた。
少しずつ近づくにつれ、それが何か、僕達には分かった。
肌色の皮膚、黒い毛・・・
し・・・死体だ・・・
Cは静かに喋った。
嘘だろ・・・
僕達は本物の死体を見るとは思わず呆然としていた。
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辺りには蝿が数匹飛んでおり、少しだけ腐敗が進んでいるようだった。
ぼこっ・・・ぼこっ・・・
死体の皮膚が突然蠢き始めた。
まさか・・・生きてる?僕達は急いで死体だと思っていた者に声をかけた。
しかし次の瞬間、ぼこっと膨らんだ部分が破け、大量の蛆が湧いてきた。
よく見ると死体の様々な所が膨らみ始めていた。喉、足、手・・・
まだ体の中にたくさんいるんだ・・・
Bはすでに嘔吐していた。その後の事は覚えていない。
どうやって帰ったのか、気がついたら森の外にいた。
僕達はあの時の体験を一生忘れ無い。
作者ryo hatakeyama