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短編2
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通話中の出来事

今から十数年前。

当時、中学二年生だった私は

母から譲ってもらったPHSで

携帯を持っている親友と

よく遅くまで長電話をしていた。

その日も親友と他愛もない話で盛り上がっていて

ふと気がつけば夜中。

それでも電話を切ることもなく

私たちは、お喋りに夢中だった。

「そのとき●●ちゃんがさぁ~」

「えぇ~!!うそ~!!」

「ほんとだって!!それ……が…って…」

さっきまで、普通に聞こえていた親友の声が

急に聞こえにくくなった。

「……だってさ!!って、聞いてるの?」

「ごめーん、電波悪くて聞こえなかった」

「もー!!それでね、四組の…ザッ…男子が…

…って…ザッ…に言って…ザザッ…ッ……」

また聞こえにくくなった声。

今度はノイズ混じりで

途切れ途切れに聞こえたかと

プツッ…という音の後、何も聞こえなくなった。

「あれ?まただ。もしもし?もしもーし?」

呼び掛けても返事はなく無音。

電波が悪すぎて切れたかな?と思い

画面を見ると 通話時間はカウントを続けている。

「……しもーし?あ、聞こえた聞こえたー」

何度か呼びかけていると、電話の向こう側からも

呼びかける声がした。

「急に声が聞こえなくなったからビックリしたよー」

「ごめんねー…PHSって電波良くないのかなー?」

「かもねー。それより話の続きなんだけどさー」

「うんうん!!」

ただの電波の不調だろうと

お互いに気にせず話を続けようとしたときだった。

「あはははあはははははははあははははははははははははははあははははははははあはははははははははッ!!」

突然、会話を遮って聞こえてきたのは

鼓膜が破けそうなほど大きな笑い声。

驚いて耳を離しても聞こえてくる

狂ったような女性の笑い声は

もちろん親友の声ではない。

あまりの恐怖と驚きに

私は電源ボタンを連打すると

電源を切って布団をかぶった。

混乱した頭の中に、まだあの笑い声が残っていた。

次の日、親友に話を聞くと

親友にも笑い声は聞こえたらしく

ほぼ私と同時に電話を切っていた。

《あの笑い声は 混線による不具合》

私と親友は、そう思うことにした。

あれから 十数年…

いまだに私は通話中の無音が怖い。

またあの笑い声が聞こえてきそうで……

Concrete
コメント怖い
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実体験ってオチがありませんよね。
でもトラウマになる位十分怖い話!!
笑い声とかあかん。

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