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下手な文しか書けませんが失礼します。
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「仲間の話しによれば、あいつが出るのは…夕方の公園です…」
荒川沙織(仮名)は細い腕を組み煙草を燻らせながら、長澤と名乗る男の話に耳を傾けていた…
「じゃあ、あなたが見たわけではないのね…」
荒川が灰皿に煙草を押し付け長澤に尋ねると、長澤はコクりと頷く…
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私はBARを営んでいる。
こういう仕事をしていると色んな客に出会うのだが、荒川沙織ほど怪しい仕事をしている女は今まで見たことがなかった。
彼女は顔の左半分がケロイド化していて、黒く長い髪でそれを隠し、黒のロングワンピースを着て、肩を隠すようにストールを羽織っている…この女は夕刻になると私の店にやって来て、いつもの席で何時ものウィスキーを注文し、何時もの冷たく無表情な顔で、客が来るのを待っている…
今夜の客は…
髪を茶髪に染め、服装はジャージの上下…年齢はかなり若い…17、8歳位か…学生では無いようだ…近頃、この辺でたむろしているカラーギャングなるモノだろう。
彼の話はこうだ…
仲間たちと、ある公園で花火などをして楽しんでいると…仲間の1人が突然、悲鳴をあげながら公園から逃げ出し、翌日から姿をくらましたというものだった。他の仲間の話しによれば、逃げ出した1人を悍ましい顔をした大男が追いかけて行ったと話したと言う…
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その大男はこの世の者とは思えない異様な身体つきで、気味の悪い奇声をあげ、追いかけて行ったそうだ…
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「依頼は受けるわ…ただし、あなた達にも協力してもらうわよ?」
スっと目を閉じ荒川はゆっくりと彼に話し、ウィスキーグラスに口をつけた…
「宜しくお願いします…」
と、長澤は頭を下げ店を後にした…
私がその光景を見て…
「ふふ、以外と礼儀正しい青年ですね…」と、もらすと荒川は何の返事もしないで煙草に火をつけた…
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彼女の仕事は悪霊の魂を奪い、闇のルートで海外に流す霊身売買である。悪霊の魂は映画などに使われているそうで…CGや特撮では撮れない本物の怖さがあり、向こうではかなりの高値で取引され、重宝されていた…まぁ、彼女は皆から霊媒師の様なものと思われているようだが…
「死人すら出てるらしいじゃないですか?向こうじゃ…」私が尋ねると彼女は…
「知らないわ…」とだけ答え、席を立った。
数日後……
彼女が遺体になって発見されたとのニュースを観た…
恐らく、あの長澤やその仲間達も生きてはいないだろう。あの…荒川沙織が、その悪霊にやられたと言うのならば…………………………
作者退会会員