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先週末、山奥に住む祖父の家に行った時の話だ。
夜、家でゆっくりしていると、近所の人が家に来た。
「イノシシを捕獲したから今から解体しようと思う、見に来ないか?」と言われる。
都会育ちの私はイノシシを見たことがない。興味本位で行ってみることにした。
解体後はイノシシの肉を焼いて食べるとのこと。イノシシ肉を口にしたことはない。
近所の人の家に行くと、身長120cmほどのイノシシがテーブルに横たわっていた。
生きている状態を見ていないので「モノ」としてしか見られなかった。
お腹には一本、ナイフで切ったような筋が入っていた。すでに近所の人が血抜きするために切ったようだった。
今から皮を剥ぎつつ解体するとのこと。
もっと切り開くべく、すでに入っている筋を切り開く。
血抜きしたとはいえ、まだ血は湖のように残っている。
「ピシャ!」となにか小さなモノが血の湖の中ではねた。
...小魚だ。まだ、生きている。生前、イノシシが食べたんだな....。
「もしかしたら、まだ何かあるかもしれない」と血の湖をさぐったのが間違いだった。
「ギャー!!!」
一本の「指」がでてきた。爪の形もはっきりしている。細くて、短い。おそらく、女性の指だ。
これの指の持ち主は今生きているのだろうか....「ピシャ!」
隣りでは、小魚が跳ねていた。
作者atttsumi