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短編2
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ガヤガヤ

その日私はバスにのり、街に買い物に行ってました。

食品やらなにやら結構な重さ。

ちょっと買いすぎたなぁ…とちょっと後悔しながら、帰りのバスに乗るべくバス停へ。

程なくバスが来ました。

両手に荷物があるので、バスの最後部から二つくらい前の二人掛けの椅子に座り、荷物を隣の席に置きました。

ふう。と一息ついたらバスは出発。

「車内では携帯電話の電源をお切り下さい」のアナウンスを聞いて、携帯を取り出しマナーモードに。(すいません)

携帯をぽちぽちしながら、車内を見渡すと、7割くらいの席が埋まっていました。

街からのバスは降りる客はいても乗る客は殆んどいないので、隣は荷物席で大丈夫そうだと、再び携帯に目を落とし、ぽちぽち。

私の降りるところは終点なので、外の景色を見てなくても行き過ぎる事はないので、特に周りも見ずに携帯を弄ってました。

目的地まであと半分くらいになって、携帯遊びに飽きた私は顔を上げました。

車内には同じく買い物帰りの人、仕事帰りの人、会話してる友人同士やお母さんと女の子の親子。後ろからもお母さんとおばあちゃんと孫って感じの談笑が聞こえます。

今日はがやがやとバスが賑やかだな…と思いながら、時折聞こえる笑い声に日常を感じながら、窓の外をぼんやり見てました。

バスも止まるたびに、人が降りて行き、終点前になると、前の席には誰もいなくなりました。運転手さんと相変わらずのがやがやと、後ろの談笑だけになり、バスは終点につきました。

私は荷物が多いので、先におりてもらおうと、しばらくジッとしてました。

相変わらず声は聞こえるのですが、降りる気配がなく、なら先にと、荷物はそのままに通路に出て荷物を持つために振り返りました。

そこには誰もいませんでした。

静寂…

あれ?

って感じで把握出来ないまま、バスを降りた瞬間全身鳥肌が立ちました。

もうバスを振り返る事もせず、そのまま黙々と歩き家に帰りました。

降りた瞬間気付いた事。

降りるまで気づかなかった事。

聞き慣れた大人数のガヤガヤ。

上手く言えませんが、確かに部分的に会話は聞こえてたのに聞き取れてなかったと言うか、聞き取れないのを疑問にも思わなかったと言うか…

それどころかなぜ人がいないのにガヤガヤしてる事を疑問に思わなかったのか。

後ろの人が、そもそもいたのかも何もかも謎です。

案外ガヤガヤとは、人の発する声ではないのかも知れないと思う一件でした。

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