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短編2
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「7月」

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自分にとっちゃ洒落怖なんだが、文章に起こしてみたらあんまり怖くなかったので

こちらに投下させてください。

俺の幼少期からの話なんだが。

覚えてなかったり後から聞いた話だったりをまとめてみた。

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それは俺が生まれる前から始まっていたらしい。

その頃は某所の団地に父さん、母さん、5つ上の兄さんが住んでいた。

あるとき、母さんが妊娠した。

兄ちゃんも、父さんも、すげー喜んだらしいよ。

だけど、7月に流産してしまったそうだ。

その次の年に努力のかいあってまた妊娠した。それが俺。

俺は家族にの気遣いもあって無事に生まれることができたんだ。

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俺は物心ついたころには「見える子」だった。

あんまり記憶はないんだが、母さんには見えない女の子と遊んでいたり、

なくなったおじいちゃんが見えていたり。

その辺は覚えていないがこれだけは忘れないっていうことがあるんだ。

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うちの玄関にはいつも侍?殿様?みたいな男の人がいた。

顔は白塗りで、バカ殿を連想してもらえればわかりやすいと思う。

じっと見ているとだんだん顔だけがでかくなって近づいてきて、

ずっと左右に顔を揺らしているんだ、妙ににやけながら。

それが本当に怖かったんだ。

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玄の前を通らないとトイレにいけないもんだから、

そこに住んでいる間は一人じゃトイレに行けなかった。

あまりにも俺が怖い怖い言うもんだから、母ちゃんは霊媒師?

みたいな人を呼んでみてもらった。

そいつは強い自縛霊なんだって。

「俺ちゃんがかわいいから出てきちゃったんだって言ってるよ」

とかなんとか言われたけど、俺からすると恐怖でしかなかった。

そのときにもらった清めの塩を毎日玄関に撒いてたけど、そいつはいなくならなかった。

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そのあたりで家族が気づいたんだよ、「7月」っていうキーワードに。

俺が生まれる前に流産した子も7月。

俺が生まれてから兄ちゃんが事故ったり、

俺が目の上ざっくり切ったり、

かあちゃんのチャリの後ろ乗ってて転んで、足の皮めくれたり、

いろんなことが毎年7月に起こった。

俺が5才になった年の7月、家族みんなで「今年は気をつけようね」って

言ってたんだ。

その矢先、

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父さんが事故で死んだ。

俺めちゃくちゃ泣いたね。父さん大好きだったから。

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その後、母ちゃんの実家のある地方に引っ越してきたら7月の恐怖は終わった。

これで7月にまつわるお話はおしまい。

なかなかでかい団地に住んでたから今も誰かあそこに住んでるのかな…

それから俺の霊感はかなりなくなりました。強いところに行けば見えるくらい。

最近は父さんの足音も父さんのものだって気づけず、びくびくしていましたww

見てくれてありがとうございました。

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アイ〜ンってやってやりゃよかったのにな

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