これは今から10年以上前の高校生の頃に起きた不思議な体験の話だ。
その当時、原付を乗り始めた頃で、よく隣町のK市までわざわざ遊びに行っていた。僕がいつも通る道は県道で車の通行が夕方になると結構多くて、その日もかなり混んでいた。すり抜けするのも大変な程だったので適当な所で横道に入って渋滞を回避しようと思った。
その時入った横道は初めて通る道で、普通の片側一車線の道路だった。
と、次の瞬間、僕は踏切のど真ん中で前の車に突っ込んでいた!
幸いそんなスピードを出してなかったので軽くぶつかったといった感じ。
僕自身原付にまたがったままの状態。
一瞬何が起きたのかさっぱり分からなかったが、被っていた半ヘルメットが衝撃で吹っ飛んで転がってるのを見て、我に返り、ヤバイ!カマ掘ってしまった!と慌ててメットを拾い、Uターンしてその場から逃げたのだ。※
少し離れた場所まで来て原付を止めて僕はおかしな事に気づいた。。
そもそも、いつも通る県道が渋滞だった為に、横道に左折した瞬間までははっきり記憶にあるが、そこから踏切で前の車に追突するまでどう走ったのか記憶が全く無いのだ。。踏切があれば必ず一時停車するし、前の車に追突しそうになれば間に合わなくてもやべーーーって急ブレーキかけるだろう、それが人間の普通の行動だ。だがそう言った記憶が皆無で気づいたら踏切の上で前の車に追突していたのだ。初めて通る様な道でボーとなって注意散漫になっていたとは絶対に考えられない。。無論、酒など一滴も飲んでなんかいない。
あの瞬間、その場所に祟る霊とかがが僕の体に乗り移って僕を踏切に突っ込ませて殺そうとしたのか、、と思う。。踏切からUターンして逃げる時にすぐそばに稲荷神社のようなものが視界に入ったのを覚えている。それが助けてくれたのか、むしろその祟りなのかどうか分からない。。
とにかく無事で今も元気で生きているが思い出すとゾッとする体験。
それ以来、その時通った横道は通っていない。
また通ったら何かあるんじゃないか怖いから。。
※ 僕がした行為は、あて逃げなのでとんでもない事ですが、車体にダメージはなかったと思います、、すいません。
作者退会会員