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今日は夕方5時に駅前で美加と野乃花と待ち合わせ。
今日は行きたくないな。。
でも行くしかないかー
渋々家を出て駅に向かった。
駅に着くとまだ約束時間の10分前だというのに二人はいた。
おかしいな。あの二人いつもは遅れて来るのに。
しかもいつもより服装もメイクも気合入ってない?
後ろから近付いて驚かしてやろう。
静かに気づかれないように歩いて真後ろまで来た。
一気に息を吸い込み大きな声を出そうとした瞬間。。
美加「今日ちゃんと夏美くるかなー」
野乃花「どうかなーまぁ合コンって言ってないし来るんじゃない?」
そういうことだったのか。あれほど合コンは行かないって言ってたのに
もう帰ろうー
また静かに反対方向へ歩き出そうとした瞬間。
野乃花「あれー夏美、来てんじゃん」
・・・バレた。。
美加「あ、今の話聞こえてた?ごめんごめん。だってさー言うと絶対来ないし。」
夏美「信じらんない。服もダサいしメイクも手抜きだし。」
野乃花「それがね今日は行ったほうがお得だよ。イケメンくるみたいだし」
イケメンが来るとかどうでもいいし。 まぁ今日だけ行ってみよう。
いつの間にか店の前にいた。
野乃花「めちゃ楽しみーでもさ1人急用で来ないみたいだよー」
夏美「まぁイケメンくんがいればいいってことよ。」
二人ともテンション上がってるなー
こういうの苦手なんだよね。。
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店に入ると男の人は先に座っていた。
男「こっちこっちー」
あれ意外に3人ともいい人そう。
席は一番右に座った。前の人は、、、あれイケメンじゃん。
タイプの顔なんだけど。余計緊張しちゃうよ。
でも美加と野乃花がタイプなのは真ん中席の人かな。
私はやだ。顔が派手すぎるっていうか。
にしても何か違和感さっきから前の人全然しゃべらないな。
ずっとうつむいてるし。ただの人見知りか。同じ同じ。
気が楽だな。このほうが。
「あ。。ぁの」
わ!びっくりした。声小っさ。
「はい。」
あ、また下向いた。なんなの今の。
ちょっと不気味。
くすくす。 横を見ると二人の男の人と野乃花、美加がこっちを向いて笑ってる。
なんだろ。あの4人にはおいてかれてるなー。
もう帰ろうかな。。やっぱりこういうのは苦手って言ってたのに。
席を立とうとすると一人の真ん中の男の人が
「あれ、トイレ?もう帰るの?」
美加「嘘でしょ!?もう少しくらいいなさいよ」
「ちょっと具合悪くなってきて。」
嘘をついてでも帰ろう。
野乃花「そっかー大丈夫?今度また誘うよ」
足早に店を出た。
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はぁやっぱ最初から来なきゃよかったー
「ぁの。。ぁの。」
後ろを振りえるとさっきの前の席に座っていた男の人が立っていた。
「え!!!なんでここに?」
「ぃや。ちょっと心配で大丈夫かなって」
「あ、ありがとうございます」
何か寒気がする。本当に風邪でも引いたかな。
「ちょっと少し話しません?」
なんだろう。さっきの店に戻ればいいのに。
「僕のこと見えるんですか。」
え、何言ってんのこの人。
「え。はい。」
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「痛いよ。。助けて」
何。何この人。人間じゃない!
よく見ると足が透けてる。
顔からもどんどん血がでてくる。
ピリリン。。携帯が鳴った。
「もしもし・・・」
「あ、夏美?さっきは大丈夫?びっくりしたよー」
「あ、大丈夫。。。。。」
「いきなり一人でぶつぶつ言いだすしさ。前の席に誰かいるみたいで怖かった。
あと一個ニュースがあるんだけどさ、さっき一人来てなかったじゃん?
その人今日の昼に事故で即死だったみたい」
「え、男の人って3人いたよね?」
「もう夏美ってば怖いこと言わないでよね。
もともと男は二人だけだったでしょ。夏美には空席の前座らして悪かったけど。」
終
作者鈴木なつみ
主人公・・・夏美 友達・・・美加 友達・・・野乃花