この話は友達の友達という信憑性は薄いものですが、ちょっと気持ち悪かったのでお話します。
ABCクンではちょっと味気ないので少年たちの名前を仮にエースケ、ビータ、しーちゃんという3人の小学5年生としましょう。
三人は田舎に住む友達同士で夏になると山にカブトムシをよく取りに行きました。
とはいえ小学生。行動範囲は親たちに言われている行動半径からは逸脱したりすることはない程度の山の中です。
でも、いつもたくさんいるはずのポイントに虫がいないとちょっとだけ決められたルートを外れてしまったりします。
その日も、まったくカブトムシの収穫がなかったので、エースケは「あっちの方がなんかいそうじゃね?」と二人を誘いました。
知った場所から大きく離れないのなら、と二人はOKしました。エースケの予想通り初めていくその場所は大収穫でした。カブトムシやクワガタを大量に捕まえることが出来たのです。
3人は夢中になってどんどんいつものルートから離れていってしまいました。
しかし行けば行くほど気になる物が目に付いてきました。動物の骨がちょくちょく見られるようになったからです。
しかしここでは、小動物はいくらでも見られるので、なんとなく気にはしましたが特に疑問には思いませんでした。
ビータが木にとまった大きなクワガタを発見!とその足元に真っ白なバレーボール位の大きさの玉が転がっていました。
ビータは、何でこんなところにバレーボールが?と思って拾おうとしたとき、パッと白い玉がはじけ、どこかに行ってしまいました。後には体中の肉が剥ぎ取られ内蔵むき出しのリス?の死骸が転がっていました。
三人は怖くなって「帰ろう」ということにしました。しかし、虫取りに夢中になった3人は自分たちの来た方向が分からなくなってしまいました。
そうこう言っているうちに日は翳ってきます。なんとか帰らなくちゃと思い、いそいそと歩くとしーちゃんが転んでしまいました。言い忘れましたがしーちゃんは女の子です。
「もー歩けない」と半べそをかきながらも頑張って歩いていると、小屋が見えてきました。
中を覗いて見ると薄暗くてよく見えません。使われている様子はないので、歩きつかれた3人はひとまずここで休もうと決めました。
しかし、小屋の中はなんだかとても臭くって、いくら疲れているからとはいえ、こんなところでは休めないと
しーちゃんは言いました。
わがままだなーとエースケは思いましたが、確かにひどい臭いです。まるで、何か腐ったような・・。
そう思いながら、3人は小屋を出ようと思ったときに、ふと隣の部屋につづくドアの隙間から宙に浮く白い物が目に入りました。
「なんだ?」と三人が覗くと、さっき見たバレーボールと同じものが・・、いえそれよりも何倍もの大きさのものが宙に浮かんでいます。
よく見ればそれは浮いているわけではありません。天井から白い糸をたらし宙ぶらりんになっていたのです。
しかも、なにやら蠢いていました。しーちゃんは何?と近寄ってみると、それは長さ70センチくらいの無数の真っ白いひも状の虫だったのです。
しーちゃんが「キャー」と大声をだすと一瞬虫たちの動きが止まり、次の瞬間白い玉が崩れ落ちました。
しーちゃんは虫を全身で浴びてしまいました。たちまちしーちゃんの体には無数の虫が食い破り入り込んでいきます。
しーちゃんの悲鳴に二人はなすすべがありません。しーちゃんは白い虫の塊の中に沈んでいってしまいました。
しかも、しーちゃんの上に落ちた白い虫の上には、赤黒い肉の塊がぶら下がっていたのです。虫たちは首吊り自殺した死体に群がってそれを食べていたのです。
恐怖に我を忘れた2人は必死になって走りました。どうやって走ったか村にたどりついた二人は助かりましたが、ビータは気が狂ってしまったようです。
エースケは今でも、うどんやご飯が食べられ無そうです。
その地方では白玉と言って恐れられているそうです。
怖い話投稿:ホラーテラー ナイスガイさん
作者怖話