ほろ酔い気分でアパートに帰った俺は、財布を見てみた。
(今月…二万三千しかねぇ)
タバコを吹かしながら引き出しを開けた。
給料日まで、あと五日。
(いけるか?俺よ…)。
自問自答する。
揺らぐ事ない決断。
トゥルルルル…トゥルルルル…
受話器を持つ手が震える。
トゥルルルル…トゥル、ガチャ
『もしもし、若い娘頼むよ。』
…ガチャリ。
五日間くらい三千円あれば何とかなる。
自分に喝を入れた。
40分待ちか。
風呂入って一服してる内に来るだろ。
(やれやれ…風呂にでも入っかな)
ルルルルンルンルン~♪
知らず知らずに鼻歌も混じる。
ピンポーン!
…早っ!
(俺はまだ風呂すら…)
けど、うれしい俺は玄関に向かいドアスコープを覗いた。
そこには青白い顔の女が立っていた。
(よし。…OK♪)
俺はドアを開けた。
そこには誰もいなかった。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話