これは数年前にあった実話です。
その頃、住んでたマンションは七階建てで一階は店舗、二階から六階までは3戸、七階だけが2戸という造りで、オートロックはありませんでした。
そしてマンション最上階の七階のエレベーター前が私の部屋でした。
お水だった私はいつも帰るのは深夜3時前後。
そんな時間にエレベーターを使う住民は私だけの様で帰るといつも一階にエレベーターが無灯状態で止まってるのは当たり前でした。
ですが、その夜。
いつもの様に集合ボックスを覗いてから、エレベーターの△ボタンを押そうとして初めて気づきました。
「あれ?……七階に止まってる。」
私の隣の部屋は空室なので七階に住んでいるのは私だけです。
しかも零時以降は節電の為、止まって暫くすると灯りが消えてる筈なのに。
…変だな…
そう思ってボタンを押すのを躊躇ってると、いきなりエレベーターの動く音がしました。
表示を見ると、6、5、4、3…と降りてきます。
途中で止まった感じはなかったので私は(嫌だな、誰か降りてくるんだ)と思いながら出来る限りエレベーターから離れ、待つことにしました。
「チーン」
ドアが開く時に鳴る音が深夜のマンションに響きました。
私はドアの向こうを見ました。
誰もいません。
「?」
少しの間があってエレベーターのドアは閉まり…そして上昇していきました。
…2、3、4、5、6、7。「…チーン…」
七階で止まったようです。
(誰?上に誰かいるの?いたずら?)
色んな意味で恐怖を感じて動けなくなっているとまたエレベーターが動く音が聞こえ始めました。
「ゴォォーーー」
「チーン」
目の前に誰も乗っていないエレベーターがドアを開き…そしてまた上昇していきました。
…6…7。「…チーン…」
そしてまた…3…2…1。「チーン」
誰も乗っていません。
私はボタンには触れてません。
また上昇。七階で「…チーン…」
深夜に誰も乗せていないエレベーターのゴォーと動く音と、「…チーン…」と響く音だけが聞こえ続けるのは正直、叫びたい程だったのですが、
私は恐怖からなのか、どうなるんだ?という好奇心からなのか、そこから動けずにずっと表示を見続けていました。
やがて無人のエレベーターは行ったり来たりを4回程繰り返し、一階に着くと止まったままドアを開く事なく電気が消えました。
何事も無くなってシーーンとした静寂に包まれると急に恐怖が倍増してきました。
(うわぁぁぁ〜怖い!怖い!怖い!)
それでも私は、もう動かないのか?という事を確認したくて2、3分は見ていましたが、エレベーターはもう勝手に動く気配はありませんでした。
(どうしよう…部屋へ帰らなきゃ…。いや、でも『コレ』には乗れないよぅ…;)
いつまでもこんな所にいる訳にもいかず、かといって乗る訳にもいかず、暫く考えましたが、取り敢えずエレベーター横の階段を上る事にしました。
途中で『何か』に出くわすかも、と慎重にドキドキしながら何とか七階まで辿り着きました。
(ここに誰かいたのかな…;)
が、結局その間、誰にも出くわさず、ドアを開け閉めする音も聞こえず、人がいた気配はありませんでした。
翌日、単なる電気系統の故障だったかもなぁ…と管理事務所に連絡しましたが、後日、故障は無かったと言われ、あの現象が何だったのか、結局今でもわかりません。
ただ…あの時、あの状況であのエレベーターに乗らなかったのはきっと正解だった、と今でも感じています。
あんまり怖くないかも。
文才無くてスミマセン^^;
怖い話投稿:ホラーテラー フラムさん
作者怖話