都内で飲んだ帰り、腹が急に痛くなったで、自分が降りる駅のトイレに寄ったんだ。
時間が時間だし、あまり駅にも人がいなくて、ガランとしていた。
用を足し終えた俺は、流して出ようとした時に、誰かがトイレに入って来た。
なんか、その人はブツブツ独り言を言ってて気持ちが悪いので、そいつが出てから、俺は出ようとした。
俺は、こっそりと聞いてる訳じゃないが、普通にそいつの独り言は聞こえてきた。
「どうしよう…どうしよう。…見失っちゃったよ。…けど僕は悪くないよね。うん。悪くないぞ。悪くない悪くない悪くない」
そいつは焦った感じで独り言を言ってるんだけど、時々、笑ってる感じにとれた。
(…気持ち悪いから早く出てけよ。)
内心そう思ってた。
そいつは突然「いい事考えた~」、みたいな事をいいトイレから出て行った。
(扉の閉まる音がしたから、帰ったのか?)
半信半疑で、俺は便所の戸を静かにゆっくりと開けてみた。
すると、中年の男性が俺の右斜め前の、掃除用具入れの横に隠れていた。
俺は、気味悪いから急いでトイレを出た。
その直後、俺と入れ替わるような感じで、ブツブツ独り言を言ってる男がトイレ入って行ったんだ。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話