割りと短いです。
昔あるところに、有名な人形師がいた。その人形師は、面白い人形を作ると評判で、その土地を治めていたお殿様の耳にも入る程だった。
興味を持ったお殿様は、早速その人形師を城に招いた。
『そのほう、中々面白い人形を作ると噂されているが、どれ、余にも一つ見せてみよ』
『ではこの人形を』
人形師は一体の人形を取り出した。
『この人形は、世にも珍しい人形で、この人形に面白いものを見せると、笑い出すという仕掛けになっております』
これを聞いたお殿様は、自分の家来達や人形師の前で、へんてこな踊りや歌を披露した。
それを見た家来達はバカ笑いをしたが、人形はピクリとも笑わなかった。
お殿様は、こいつらは自分を馬鹿にしたのだと思い腹が立った。
そして、怒りで我を忘れ、人形師とバカ笑いをした家来達全員を刀で切り捨てていった。
だが、部屋が真っ赤に染まり、冷静さを取り戻したお殿様は、自分のした過ちに気付き、自分自身も腹を切り自害してしまった。
そして、
鮮血で辺り一面真っ赤に染まった部屋には、子供のような笑い声が響いていた…
怖い話投稿:ホラーテラー 特命さん
作者怖話