やっと100階までの階段を登り切った私達。が、「カギを1階に置き忘れた!」ことに気付いた。
100階までもう1度登るのはうんざりだ・・・とりあえず1階に着き、カギを手にした私が再び階段を登っていると、下半身のない老婆が両手を器用につかって、テクテクと時速100㌔くらいで追いかけてきた。
老婆は「助けてください!私は立教大学3年の高橋…」などと叫んでいたが、聞こえない振りをした。
が、「見えてるくせに・・」としつこいので念仏を唱えると
「そんなものは効かんわ!」と言い放たれた。
どうすりゃいいんだ。
仕方ないのでぴょんぴょんと時速105㌔くらいで階段をかけのぼった。
100階で待っていた残りの4人は眠ってしまわないように踊り場の4隅に立ち、順番にとなりの隅まで歩いて起こす、というようなことをやっていた。
ひとりはどうしても眠さをがまんできず、壁一面に
「おかあさんおかあさんおかあさん」
などと赤いクレヨンでたくさん書きなぐって眠気をこらえていた。眠ると猿の電車に連れて行かれるそうだ。
ようやく100階の扉をあけ、ぐっすりベッドで眠れると思った私達に安堵の空気がながれたが、何気なくベッドの下をみた私は凍り付いた。
ベッドの下にはカマをもった男がこっちをみていた。
私は叫んだ。
「斬るなら俺を斬れ!!!俺の命で済むなら・・・安い物ッ!!」
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話