小高い山の中、
公園と夜景スポットがあるペットセメタリー中山霊園
ここでの怖い話は
自分ではなく一緒に行った友人が体験した…話を書かせて頂きます
友人と心霊スポット巡りに明け暮れた夏の夜
余り寄りたく無かったが、友人が寄りたいと言うので渋々、中山霊園へ向かった
なぜ寄りたくないか
その霊園には友人宅で飼われていた愛犬が眠るらしく、霊園へ行けば必ず愛犬の話をし、毎度通夜みたいな空気になり少々嫌だったからだ
その日も中山霊園への道中、友人は愛犬の話に明け暮れ
涙声になっていた
自分は煙草をふかし
相槌を打ながらウンザリしていた
程なく霊園に着いたが
気味の悪い霧が立ちこめていて視界が悪い
『今日は雰囲気違うな…』
窓を開けて車を走らせていた為、少し肌寒くなり自分は窓を閉めた
公園の駐車場に着き、少し霧が晴れ、野郎二人で何もない公園を散策し夜景を見ながら
友人は再び愛犬の話をしだした
勘弁してよ…
正直思った
別の場所ならまだしも、霊園、しかも話をしてる愛犬が眠る霊園だ
墓に眠る方の大半は供養が施されており、心霊スポット程怖くないが…
今日は取り憑かれたかと思うほど饒舌に愛犬を語る
流石に怖かった
心霊スポットより、今目の前にいる友人がどうかなってしまうかと思い、
今日は帰ろうと急かした
公園を抜け駐車場へ行くと再び霧が出てきた
友人がどうしても…って言うので車で霊園内を一周して帰る事にした
走行中自分等は、一言も話さず気まずかった
煙草が進み、霊園を半分回ったかと思う当たりから
友人は再び話出す
『他にも人いるんだなぁ』
自分も前を見ていたが
霧も出ているし、人影なんか解りはしない
『遂に見ちまったんじゃね?どこよ?』
自分は言った
『いやいや、こんなはっきり見える?ほら、今も通りすぎた』
友人が言う
『いや霧で何も見えないし…今夜中だし…』
自分は言いながら回りを見渡したが
霧が立ち込めているばかり
何も見えない
今横で運転してる男は何かを見ている
自分には見えてない何かを
怖くなってきたが
もしかしたら自分も見えてしまうかという期待も抱いていた
冗談かも…?そう思い
友人の顔をみると
青ざめている
『どうした…?』
自分が訪ねる
『絶対そっちの窓見んな』友人が言う
『何で?』
自分が問う
『今車何キロで走ってるか解るか?』友人が問う
『50キロちょい…』
自分はメーターをみて答える
『居るんだよ』
友人が言う
『この速度で真横付いて、こっちガン見してる女がお前の後ろに!』
自分は友人を見ながら絶句した
そして振り返った
だが、見えるのは白い霧
同時
『バカヤロー!』
友人が怒鳴り、自分はびっくりして友人をみた
その時、霧は晴れ霊園を抜けていた
友人は一心不乱に運転し
一安心していた
『まだいるか?』
自分が聞く
『いや居ない、霊園抜けたら消えた
こっえー、幽霊なんか分からんけど、あれはヤバいって
てかお前、人の言う事聞けよバカ
あーかなり涼しくなった』
友人は答えた
『いや、お前がイッキ(愛犬の名前)の話ばっかすっから、悪いの呼んだんだって絶対』
自分が言った
すると友人は黙ってしまって
言い過ぎたか(汗)
と焦ったが
『そうかもしれん』
妙に納得しそう言った
後、もう友人が愛犬の話をすることは無くなった
以上です
なぜ自分は見えないんだ?やはり体質的な物があるのか、何なのか
だがこんな話、都市伝説にあったな
かぶってて申訳無い
怖い話投稿:ホラーテラー 京介さん
作者怖話