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短編2
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ねぇ それってさぁ

これは、俺が小学校6年生のころの話しだ。

ある日、友達の家で遊んでた俺は、気づけば時刻が11時前だということに気づいた。(友達の両親も俺の両親も時間にはうるさくなかった)

帰りが遅くなった俺は、その友達に自転車を貸してもらうことにした。自転車は母親が昔使ってたものらしい。でも、その自転車は思春期の俺には少し恥ずかしかった。

どうみたって主婦っぽいママチャリだし、二人乗り用でダサかったんだよ。

だから俺は、夜中でも明るい大通りではなく、暗くて大きい坂道がある道から帰ることにした。

そんな暗い道を走っていた俺だが、別に怖いという気持ちも出来事もなかった。頭の中は早く帰って夕飯食べたいということだけだったし、心霊のテレビ番組なんかのように、自転車のライトが消えるとかいうハプニングもなかった。

そうやって、その日は家に帰れると思った。

しかし、家の近くの下り坂を前にして、俺は見てしまった。

坂道の道ぞいにあるお墓たち。(沖縄は道にお墓がある)

その墓の前を、マラソンしている不気味な人影を。

何が不気味なのかというと、その人は走り方がおかしかった。首を前後左右にぐるんぐるん回し、両手をあげながら走っている。

俺はサーっと全身が総毛立つのを感じた。危ないやつに会っちまったって思ったんだ。

でも、今から下り坂だし、何とか家までとばそう、と俺はその怪しい人物の横をすり抜けた。

よし、下り坂に入ったぞ!

と、安心した俺は冷や汗を拭った。だが、すぐにまた冷や汗をながすことになる。

下り坂なのに、スピードが全く上がらなかったのだ。何故だかわからないが、次は大きな登り坂が待ってるしマズいと思った。

結局スピードが上がらないまま、俺は登り坂に突入した。坂の一番上が俺の家だった。

だから、なんとしても坂をのぼりきろうとやけになった。

しかし、ここでまた異変を感じた。今度は、登り坂のわりにはスピードが出たのだ。強くペダルをこいでるわけでもないのに、スイスイと登れた。

助かった!と俺は一気に坂を登りきり、家に飛び込んだ。

そして、今の出来事を姉に話した。誰かに話さなきゃ、怖かったんだ。

すると、俺の話を聞いた姉がこう言った。

「ねぇ、それってさぁ…

下り坂のときはその人が後ろに乗ってて、登り坂では後ろから押してたんじゃない?」

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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