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中編4
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ホテルの一室にて

幽霊見えたら聞いてみたい。

「どんな感じなの?」

怖い話は好きだが信じていない。

いるとは思う。

自称霊感ありという友人もいる。

そいつらから見たという話も聞くし、どこどこに遊びに行ったら感じた、という話も聞く。

ただ、いろんな話を盛る奴等なので私は信じていないw

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自分の眼で見たら信じる。

でも、わざわざそんなとこに行く気はない。

だって、フラグでしょw

そんな風に今まで生きてきたけど、30年も生きれば不思議な体験はいくつかするものなのかな?

そんなに数ないけど、今日はその一つ、、、たぶん寝ぼけてたんだと思う、、、

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あれは入社して半年

半年もあった新人研修も終わり、希望通り四国に配属された。配属されたものの、家が決まるまでは3週間ほどホテル暮らし。

社内規定で朝食付きで一泊1万まではオッケーだから結構いいとこに泊まってた。有名な温泉街のとあるホテルに、、、

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ホテル暮らしって寝付きが悪い人には非常にしんどいらしい。乾燥するし、ベットと枕が寝にくいんだって。

私は5分あれば寝付けるのとまず寝付いたら朝まで起きないのが自慢だったので他の人より快適に過ごしていたと思う。過去に震度5の地震でもグースカ寝てたり、目覚まし3つ使っても起きない私を見て両親はよく呆れていたらしい。さらに、慣れない仕事の疲れも相まって入社してからはいつも爆睡

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その日もいつもと同じように翌日に備えて23時には就寝した

そして、なぜかその日は夜中に目が覚めたんだ

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部屋はちょっとアンティーク調で入ると5m弱の通路があり、左の壁にデスク、右にセミダブルのベット、突き当たりに窓がある。そして、ベットの足下と窓の間には2mほどのスペースがあり、一本足の小さなテーブルと椅子が置いてある。

部屋の明かりは真っ暗にしてたけどカーテン全開にしてたから目が覚めてすぐ「あぁ、、、まだ夜中か」と思った。

部屋は月明かりくらいの明るさしかない。

まだ暗いのでそのまま二度寝しようと思ったが、ふと窓の方を見たんだ。

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そこには真っ黒な人影があった。椅子の据わるとこに寄りかかって床に座る人影が、、、

部屋は暗いとは言ってもベットの色とかはかろうじて分かるくらいの明るさはあったが、その人影は真っ黒だった。まるで影をそのまま立体にしたような?

にも関わらず、なぜかパッと見て女性だと思った。それも20代後半くらいの。

今考えるとおかしな話だ。真っ黒で顔も服装も分からないのに性別や年齢が分かるなんて、、、

でも、寝ぼけてたせいもあり、その時は特におかしいとも思わなかった 。

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恥ずかしい話、初めは寝惚けてて「誰だろう」と考えた。

最初に思いついたのは「デリヘル?」だ(ここの温泉街は小高い丘にあって表が温泉や旅館、ホテル、裏に風俗街が広がっている)

いやいや、呼んでないし、、、

他の客が呼んだけど部屋を間違えたとか?

でも、オートロックだから入れないし、、、

先輩?(一つ歳上の女性が私の教育係)

いやー、ないな。

まさか地元に置いてきた嫁?

こんな夜中に着く便はないしなぁ、、、

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寝惚けた頭で訳の分からない事を考えつつ、寝たまま目を凝らして誰か判別しようとするが、人影は真っ黒なまま、、、

ふと、、、

まさか泥棒?という考えが頭を過る。身の危険を感じ身構えようとする。

だが、体が動かない。

窓を見たときも考えてる時も目を凝らしてる時も目しか動かしてなかったから気づかなかった。

たぶん今考えるともしかして金縛りというやつだったかもしれないが今までそんなもんになったことない私は「あれ?何で体が動かないんだろ?寝惚けてるからかな?」としか考えてない。

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その間も真っ黒な人影は動かないまま床に座って椅子にもたれ掛かっている。

身の危険を感じてから徐々に頭もはっきりしてきた。目が覚めてから3分くらいだろうか?

何となく体が動かせる気がした。

じっと動かない人影を見ててここまで動かないなら、やはり泥棒ではなく知り合いかしら?と私は再度思い始めた。

でも、よく分からないのでゆっくり静かに体をお越し小さな声で「だれ?」と聞いた。

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人影は答えなかった。

聞こえなかったか?と思い、ベットの上をハイハイして人影との距離を1mくらいまで近づいてもう一度「だれ?」と尋ねた。

この時やっと気づいたんだ、、、

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shake

何でここまで近づいても真っ黒にしか見えないんだ?と、、、

背筋がゾッとした、、、

初めておかしい事に気づいた。

とりあえず、電気を点けよう。

そう思った。

スイッチはベットの頭側についてる。

なんとなく目線は逸らしたらダメだと思った。

後ろに飛び下がり、勘を頼りにスイッチのあるところに手を伸ばす。

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パッと部屋は一瞬で明るくなった。

人影は、、、消えていた。

安心したが、釈然とはしなかった。

時計を見ると夜中の2時を指していた。

その日は何となく電気を点けたまま寝た。

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次の日、仕事から帰ってきて失礼とは思いつつホテルの受付の人にこの部屋で変なもの見た事ある人がいるか聞いた。

いないとの事だった、、、

その後も同じ部屋に二週間ほど滞在したが、人影はあの一度きりだった。

一応、3日ほどは怖かったんで電気点けたまま寝てたが何もないので四日目から消した。

たぶん寝ぼけてたんだろう。

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shake

だから、机の周りの床にあった女性が足を崩して座ってたようなシミに見えるのも気のせいなんだ、きっと、、、

Concrete
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