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短編2
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兄の夢遊病

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ぼくには、2歳年上の兄がいます。

小さいころから仲がよく、小学校を卒業するまで、同じ部屋で寝ていました。

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ぼくが、小学校3年生の、ある夏の日。

ぼくは、暑くて、なかなか寝付けませんでした。

兄は、いびきをかいてぐっすり寝ていました。

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なんとかして寝ないと、と思い、羊を数えていました。

すると、隣で寝ている兄のいびきが、ぴたっととまりました。

兄も、暑くて起きたのかな、と思い、寝返りをうって、兄のほうを向いた瞬間、

兄が、突然、むくっと上半身を起こしました。

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「暑いよねー笑」

と、話しかけましたが、反応はなし。

兄は、上半身を起こした状態で、目をつぶったまま、じっとしています。

「お兄ちゃん?」

あいかわらず、反応はありません。

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そのまま、数分たったころでしょうか。

兄は、上半身を倒し、またいびきをかきはじめました。

寝ぼけているのかな、と思い、また寝返りを打って反対を向き、また寝ようとがんばっていました。

20分ほどがたち、やっと、まぶたが重くなってきたかな、というころ。

また、兄のいびきが止まりました。

今度こそ起きたかな、と思い、寝返りをうち、兄のほうを向きました。

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兄は、立っていました。

目をつぶったまま、直立し、微動だにしません。

「お兄ちゃん、どうしたの?」

さすがに起きているだろうと、何度も話しかけましたが、兄から反応はありません。

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そのまま、10分ほどたったでしょうか。

兄が、突然、歩き始めたのです。

寝室を、ぐるぐると。

壁ぞいを、ゆっくりと、目をつぶったまま。

ぼくは、さすがに、怖くなり、反対に寝返りを打って、目をつぶり、必死に寝ようと努めました。

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しかし、そんな状態で、寝付けるはずがありません。

兄の無味乾燥な足音を、意識から排除しようと、学校であった楽しいことや、寝る前に見たテレビのことを、必死に思い出していました。

どれくらい時間がたったのかわかりません。

突然、兄の足音がとまり、隣の布団に兄が入る様子が感じられました。

やっと、終わった、良かった。。

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しかし、いつまでたっても、兄のいびきが聞こえてきません。

兄の様子が気になり、恐る恐る、寝返りをうちました。

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兄は、

血走った目を全開にして、

ぼくのほうを、見つめていました。

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大きな展開はないにもかかわらず、最後に『うぉっ!』っとくるものがありますね
ちょっとドキッとしました

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