僕のクラスにはとても静かな野村さんという女の子がいる。
僕を含め大半の人がその人の声を聞いたことが無いはずだ。
野村さんは誰とも喋らず遊ばず、休み時間などはひたすら勉強をしていた。
顔はそんなにブサイクでは無いが可愛いとも言えないような顔だ。
中身は全く分からない。
常に無表情で感情を表に出さない不思議な人だった。
そのためかクラスの女子からいじめを受けていた。
最初はわざとぶつかったりするだけだったのだが、野村さんは嫌だとか何も言わないため、いじめはどんどんエスカレートしていった。
教科書を全てゴミ箱に捨てたり、靴をビショビショに濡らしたり。
クラスのみんなはもちろん知っていた。
だが、誰1人として止めるものはいなかった。
野村さんは大層メンタルが強く、そんなにいじめられているのに学校を休んだことは1度も無かった。
それがまたいじめをエスカレートさせる原因となった。
エスカレートする前に誰かが止めていたらあんな大惨事にはならなかったのだろう。
野村さんがいじめられるのは日常茶飯事となっていた。
そんなある日、1人の女子がはさみで野村さんの手を傷つけた。
そんなに深くは無かったのだろうが血が出ていた。
その女子はさすがにやりすぎたと思ったのか少し引きつった顔で立ち尽くしていた。
野村さんは席を立つと傷口を抑えながら保健室の方へと向かって行った。
僕は見た。
あんなに感情を表に出さず常に無表情な野村さんが笑っていたのだ。
ニヤニヤとした顔で。
僕はそれがとても怖かった。
野村さんはその日早退した。
その翌日。
野村さんは初めて欠席した。
クラスが少し騒ついた。
傷つけた女子は反省したのか黙っていたが、いつもいじめている女子たちはいじめをするターゲットがいないためイライラしていた。
いつもと違う雰囲気のクラスは少しピリついた感じがした。
だが、その翌日にはまたいつも通り野村さんは来ていた。
僕は少し野村さんが気になった。
いじめられて体を傷つけられてもなお学校に来るなんてすごいなと思った。
休み時間になり女子達がトイレに行ってる間に野村さんに近づいた。
野村さんは何かをノートに書いていた。
僕はそれを覗こうとして話しかけた。
「野村さん…大丈夫?」
すると野村さんはビクッとしてこちらを見た。
目を見開いて。
その顔がとても怖かった僕は一歩後ずさりした。
野村さんはノートを素早く閉じ、机の中に入れて、教室を出た。
何故そんな行動をしたのか気になって考えていると無償にノートの内容が気になった。
もう確認せずに家には帰れなかった。
放課後、誰も教室にいないことを確認し、野村さんの机の中を探った。
すると休み時間と同じノートが出てきた。
持って帰っている可能性もあったため嬉しかった。
ドキドキしながらノートをめくった。
僕は目を疑った。
1ページずつ、クラスのみんなの情報を事細かに書いてあったのだ。
そこにはもちろん僕のことも書いてあった。
名前、生年月日、家の住所、好きな食べ物、嫌いな食べ物、好きな歌手……。
どこからそんな情報を手に入れたのか分からないが、僕の情報は全て当たっていた。
とゆうことは無論、他の人のも当たっているのだろう。
ノートをペラペラとめくると、あのいじめっ子集団の女子たちだけ文字が赤かった。
そしてしたの方に日付が書いてあった。
僕はなんだろう。
と思ったがその日はバレないようにノートを元の位置に戻し、帰った。
それからしばらく日が経って、いじめっ子集団の1人が亡くなったとの知らせを受けた。
自殺だったらしい。
それからも日を追うごとにいじめっ子集団の1人1人が亡くなって行った。
僕はわかっていた。野村さんだ。
あいつしかいない。
僕はその日の放課後に教室に残り、野村さんのノートを見た。
すると、あることが分かった。
ここに書いてある日付は殺す日なんだ。
亡くなった人とこの日付は全て一致していた。
僕は怖くて仕方なかった。
今日はもう帰ろうと思い、ノートを閉じ教室のドアの方を見ると、そこには野村さんが立っていた。
こっちを凝視して立っていた。
僕は怖くて体を動かせずにいた。
すると野村さんはゆっくりこちらに歩いてくると、ノートを手に取り何も言わずに帰って行った。
僕は野村さんが帰った後も足が震えおぼつかなかった。
やっとの思いで家に帰ると何も食べずに布団に潜り込んだ。
何故ノートを取る時、野村さんは笑っていたのか、ずっと考えていた。
するといつの間にか寝てしまっていた。
翌朝、僕は学校に行きたくなかった、
だが休む理由も無く休むのは無理に決まっている。
おぼつかない足取りで教室に入る。
野村さんはいつものように勉強していた。
あのノートはどうなったんだろう。
僕はそればかりを考えていた。
その日も放課後残った。
教室の外や階段を調べ誰もいないことが分かってから、僕は野村さんのノートを調べた。
パラパラとめくっていると僕のページに来た。
僕は鳥肌が立ち、腰が抜けた。
全て赤い文字になっており、下の方には日付が書いてあった。
その横に小さく何か書いてあった。
次はあなただよ。
作者カイ
久しぶり、とゆうか始めて?
ホラーだけとゆうものを考えて書きました。
構成日数が少なくて薄い内容となり本当にすいません。
クラスに1人はいる静かな人をモチーフに書きました。
またコメント、ご指摘等お待ちしております。